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重視するのは「感情」。Z世代のカスタマージャーニー、3つのポイント

人が商品やサービスを知り、購買にたどり着くまでの行動や心理を旅にたとえた「カスタマージャーニー」。

買うまではもちろん、買ったあとに商品を気に入って、リピートしたり、誰かにおすすめしたりすることも含まれます。

商品の種類、ターゲット、普段使っているツールなど、さまざまな要因によってカスタマージャーニーは異なり、時代背景によっても移り変わります。

近年では、SNSや広告によって商品に触れる手段も増えたため、企業のマーケティング担当者の方の中には、カスタマージャーニーを描くのに苦労しているという方もいるのではないでしょうか?

カスタマージャーニーはもう古い?

僕の経営する僕と私と株式会社では、Z世代に向けたマーケティング事業を行っていますが、なかでもZ世代のカスタマージャーニーは描くのが難しいと考えています。

なぜなら、Z世代は「自分らしさ」や「個性」「多様性」を重要視し、ひと括りにするのが難しい世代だからです。興味が細分化していることもあり「こうだろう」と決めつけるのは非常に危険です。

▼以前、サントリーの廣田さんとも「“Z世代っぽい”は危険」というお話をさせていただきました

また、今はユーザーが得られる情報量が増え、情報過多になりやすい時代です。

そのため、「認知」から「購入」までが一直線に進まず、一部ではカスタマージャーニーを考えることすら「古い」ともいわれています。

▼SNSネイティブ(Z世代)が購入に至るまでのプロセスの一例

Z世代が子どものころからデジタルに触れ、SNSやWebを使いこなしていることを踏まえると、カスタマージャーニーはより複雑化していくため、大きなヒットを生み出すのも難しいことが想像できますよね。

「ふーん」から「なくてはならないもの」に。Z世代のカスタマージャーニー

では、複雑なZ世代のカスタマージャーニーについて考えるのはもう「古い」のか。

たしかに、商品を認知して購買するまでにフェーズの行き来はあるものの、次のフェーズに進むための指針はあると考えています。

それは、「感情」と「インサイト」です。

先日出版した著書『エモ消費』のなかで、「バラバラに動く人たちに対して、個別にどうアプローチするのか。その有効なツールが、本書のテーマである「エモ」です。」と、「感情(=Emotion)」が人の購買に対する共通のアプローチとして重要なことを述べました。

これは、カスタマージャーニーでもまったく同じことが言えます。

▼なぜ「エモ」が重要なのか?についてはこちらの記事をご覧ください

ここでは、最近僕が考えている「KGWM」という4つのフェーズに分けて、Z世代のカスタマージャーニーを紹介します。

①Know

・「ふーん」と興味関心を得るフェーズ
・第一印象やフィーリングが判断基準
・デザイン性やキャッチコピーがカギ

②Good

・機能性を調べたり試したりすることで「いいな」を得るフェーズ
・機能が優れているか、使いやすいか(ユーザビリティ)が判断基準
・人からの紹介やUGC(User Generated Content)がカギ

③Want(need)

・「いいな」から、頭で考え「ほしい」を判断する段階
・合理性や商品がステータスになるかが判断基準
・①と②で得た第一印象(潜在意識)と情報(行動)がカギ

④Must

・買ったものが自分にとって「なくてはならないもの」か評価する段階
・リピートしたいか、誰かにすすめたいかが判断基準
・商品への納得感や共感がカギ

こうして第一印象の「ふーん」から買った商品が「なくてはならないもの」となり、リピートや別の誰かへのおすすめに繋がることが、Z世代にとって自然なカスタマージャーニーだと考えています。

カスタマージャーニーを実現する3つポイント

とはいえ、1番難しいのは、このカスタマージャーニーがきちんと機能することです。

ここからは、「KGWM」を実現するために、僕が重要だと考えている3つのポイントをお伝えします。

ポイント1.ワンクリック・低リスクでの購入

普段からインターネットに触れており、ほしい情報がすぐ手に入るZ世代がとにかく苦手なのは「面倒で時間のかかること」。

特に「Want(need)」の段階では必要事項を記入し、会員登録をして、クレジットカードを登録して...と工程が多いと、ほしい商品があったとしても、サイトから離脱してしまう可能性があります。

これは、「Know」の段階でも同じことがいえます。

化粧品口コミサイト「@cosme」の利用者アンケートでは、SNSで話題になった商品を買いたい理由について、「情報収集の手間が省ける」が挙げられており、SNSが「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識した情報収集のツールとして利用されていることが伺えます。

また、Z世代は「失敗したくない」世代でもあります。実際に、同調査では「誰かのお墨付きという安心感がある」「失敗が少ないと思う」など購入した商品への安心感も挙げられています。

以下の記事でZ世代がSNSに求めることについて、「必要な情報との接点をスムーズに持てること」と「納得感を得られる情報に出合うこと」が挙げられていることからも、Z世代は、必要な情報に対して、極力少ないアクションでたどり着くことを求めているといえるでしょう。

ポイント2.友だちからのおすすめ

2番目に挙げた「Good」は顧客の「いいな」を作る段階。Z世代が商品を「いいな」と思うカギは、消費者によって制作されるコンテンツ「UGC(User Generated Content)」、すなわち口コミです。
 
Z世代は、特に友人からおすすめされたものを購入する傾向にあります。ぼくわたではこれを「友だちマーケティング」と呼んでいますが、企業からのどんなに上手な訴求よりも、家族や親友からの言葉のほうが購買意欲を高める効果が大きいのです。

たとえば、花屋さんで「この花がおすすめです」と言われると、購買を促されているように感じてしまいますが、花を買った人が「この花、いい香りがするんだよね」と言っていれば、能動的に「いいな、欲しいな」と気持ちが動きます。

このように、Z世代は「利害関係のない率直な意見」に信頼を置くのです。

ちなみに、ここでいう友だちとは「意見を信頼している人」を指します。親しい人や信頼している相手、つまり有名人やインフルエンサーでもUGCは強力なのです。

ポイント3.商品への納得感を作る

最後に、商品を購入する「Want」からリピート・おすすめフェーズである「Must」に移行する際に重要なのは「自分が商品に納得できるか」です。

情報に溢れた時代を過ごし、いろんな選択肢があるZ世代は、みんなにとっての「正解」よりも自分にとっての「納得感」を重視する傾向があります。

持ち物についてもより自分らしいモノを求め、「〇〇〇だから買うんだ」と意味付けがしたい。

だからこそ、Z世代の「Must」を増やすには、多くの人にとっての魅力をとことん突き詰めるよりも、それ以外の魅力も磨いて、それぞれのCVR(コンバージョンレート、購買率)を高めていくことがカギになります。

ユーザーにとって「Must」となった商品は、誰かにおすすめしたい商品となり、新たなUGCを生みます。こうして商品が拡散されることにより、商品の認知度が高まるのです。

▼友だちマーケティング、Z世代とSNSの関係など、Z世代の消費行動の特徴については著書『エモ消費』でも詳しく触れています。ぜひご覧いただけると嬉しいです!

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マーケティングには欠かせない「カスタマージャーニー」。

SNSネイティブであり、情報収集の手段に溢れたZ世代のカスタマージャーニーは、複雑かつ多様ですが、「感情」を軸に考えることで分かりやすくなると考えています。

僕と私と株式会社では、これらの考え方をもとに、さまざまな企業さまとZ世代向けプロジェクトをご一緒しています。お困りの企業担当者の方がいらっしゃいましたらぜひ一度ご相談ください! ぼくわたがお力になります。

これからも、Z世代に向けたマーケティングやトレンドについて解説していくので、ぜひスキやコメントお願いいたします!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!

※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登について

今瀧健登 / Imataki Kent(Twitter:@k_hanarida

僕と私と株式会社 代表取締役 
一般社団法人Z世代 代表
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
NewsPicks U-30プロピッカー

1997年生まれ。Z世代へのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』などを企画。Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代経営者。

日経COMEMOでは、Z目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。

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今瀧健登 / Z世代の企画屋
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