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心理的安全性を高めるマネージャーの3つのふるまい

 Potage代表取締役 コミュニティ・アクセラレーターの河原あずさです。みんなが安心して働ける、心理的安全性の高い「コミュニティ型組織」づくりが最近のマイブームです。いくつかの企業でスタートし、引き合いも増えていて、モチベーション高く取り組む日々です。

 というわけで今回も、日経COMEMO編集部から1ヶ月前に出されたお題「#心理的安全性を確保するには」をもとに2本目の記事をお届けします。面白いなと思った方はぜひ、ハートマークを「スキ!」として頂けると執筆のモチベーションになってとても嬉しいです。

「Voicy」ではCOMEMO記事の元ネタになる10分ビジネス小噺をほぼ毎日放送しています。記事が「面白い!」と思ったみなさま、ぜひ聞いてみてください!

こちらは関連記事です。ご興味ありましたらチェック下さい!

心理的安全性高いマネージャーの3つのふるまい

 先日、ワシントンDCで起業家の支援をやられている久能祐子さんからお話を伺う機会がありました。Zoomに関わっているプロジェクトのメンバーが集まり、チームメンバーのためにたくさんためになるお話を伺い、共感しきりだったのですが、その中で特に印象に残った話があったので紹介します。チームにおけるコミュニケーションの話です。

 久能さんは、自身が起業家だった時代に、チームメンバーとのコミュニケーションで意識していたことを引き合いにだして、次のようにおっしゃっていました。

 マネジメントとしてチームメンバーと接するにあたって大事にしていることが3つあります。①叱らない ②自慢しない ③褒める です。

 この3つの要件はとてもシンプルなものですが、昨今話題になることが多く、COMEMO記事のテーマでも何度となく取り上げられている「心理的安全性」の高い組織をつくるにあたって大事なエッセンスがつまっています。聞いた瞬間に、全世界の「チームづくりに悩む人」に伝えたい言葉だなと感じました。(なので、こうやって記事にして紹介しています)

 そして、日本の組織が、心理的安全性づくりに苦労している理由が、読み解ける気がします。

 上司は ①メンバーを叱って育てる ②自身の武勇伝を語って伝える ③行動をして、背中で示して、褒めて甘やかしたりしない

 大企業に長く勤めていた自分の目を信じるなら、このような昭和の時代につくられた上司像を美徳としている人たちがすくなからず存在していて、令和となった今でも「昭和のコミュニケーション」を引きずっている気がするのです。

 そしてこの上司像、見事に久能さんがおっしゃっている3つのルールの正反対であることが、一目で分かります。

 (その時代に社会人として生きていないので想像でしか語れませんが)イケイケモーレツで成長し続けていた昭和の時代には、この態度はプラスに作用することもあったのかもしれません。しかし、ダイバーシティとかインクルージョンとか言われる今の時代においては、特に若い世代からは、時代錯誤な価値観だと後ろ指さされて、倦厭されても仕方ないものだと思います。結局のところ「マウントとりの連続」としか映らない行動だからです。グローバルの価値観で見ても、海外の多くの方からはおそらく「理解できない。これはチームメンバーにとって何の罰ゲームなんだ?」と言われそうな代物と言う印象です。

 国籍、年代、性別、様々な属性の多様性を尊重することが企業の姿勢として求められる今の時代の潮流においては、上下のヒエラルキーを持った関係性をマネジメントが築くのではなく、フラットにメンバーとコミュニケーションをとることが求められます。このコミュニケーションづくりこそが、心理的安全性の醸成の、第一歩なのです。

 「①叱らない ②自慢しない ③褒める」というふるまいは、このフラットなコミュニケーションをマネジメントがつくるにあたって、とても大事な、基礎的なふるまいです。

 では具体的にマネジメントがどういう風にふるまうとこの3要件を実践できるのか。僕が普段、トレーニングや組織開発の現場でお伝えしている内容を元に、かみ砕いて説明します。

①叱らない

 叱らないでどういう風に、新しく来たメンバーや若いメンバーを教育したらいいのか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。そういう方に僕がいつもお伝えしているのは「自分の意見を相手に言うのではなく、相手の意思を引き出すために問いかけて下さい」ということです。

 例えば、部下の方のパフォーマンスが期待値に届いていないケースを考えてみます。

 「なんでできないんだ!」と叱責するのが昭和のコミュニケーションです。こうなると当該のメンバーは思考停止して「ごめんなさい。頑張ります」と繰り返して、萎縮するばかりになってしまいます。

 そうではなくて「どうしたらもっと良くなると思いますか?」「もっとパフォーマンスを上げるにはどんな施策が考えられますか?」「実績を出すにあたってどんな障害がありますか?」といったような問いかけを通じて、メンバーの思考を促して、言語化を一緒に進めていくことが、心理的安全性高い組織づくりにおいては求められるのです。

 問いかけを通じて、メンバーの方は、自分なりの仮説を見つけて言語化してくれます。それを否定せずに「じゃあ、やってみて!」と送り出して応援していく、これが心理的安全性をはぐくんでいく上で大事なマネージャーのふるまいになります。

②自慢しない

 まず大前提として身もふたもないことを言うと、自慢はしてもあまりいいことは起きません(笑)。変な嫉妬をよんだり、この人は承認欲求強いめんどくさいひとだなーと思われるのがオチです。自信は持っていいけど、謙虚さを持ち合わせるというのは本当に大事なことですよね。

 ただ、これだけで片付けても学びがありません。もうちょっと深掘りして解説します。

 自慢をする人が着目しているのは「過去の出来事(成功体験)」です。しかし、チームにとって大事なのは、過去ではありません。チームの未来のゴールであり、そのゴールに向かって今、何をすべきかです。マネジメントの意識は、この「未来」と「今」にフォーカスされるべきなのです。

 マネージャーが過去の武勇伝を「俺の若いころはな…」と話すことは、チームの未来や今にとって、あまりいい影響はありません。「私たちはどんな方向性に向かうべきなのか」「ゴールに向かうために今、私たちはどう振る舞うべきか」という発想で「未来起点で今にフォーカスする」ことが大事です。

③褒める


 心理的安全性高い組織をつくるために褒めるのが大事というのは、なんとなく理解できても、具体的にどう褒めたらいいかについては、迷う方は多いかもしれません。実際、日本人のマネージャーが若いメンバーをつかまえてアメリカ人みたいなノリで「カッコいいね!」とか言っても、上滑りしますよね。

 ではどのように褒めたらいいでしょうか。僕は「相手の個性を前向きに認める」ことが大事だとトレーニングなどでよくお伝えしています。

 例えば、寡黙なメンバーがいるとします。「静かだね」などというと、ちょっと気まずい雰囲気になりますよね。けど、このような表現に置き換えてみたらどうでしょう。

 「〇〇さんは、じっくり物事を考えられる人だよね」

 あるいは、チームに私服がとても派手なメンバーがいるとします。「ちょっと浮いてるね」などと言うと、かなりマイナスなわけです。けど、このように表現してみるとどうでしょう。

 「△△さんは、自分をファッションで表現できる人だね」

 これらの例のように、前向きな表現に変換して相手に伝えるクセをつけると、肯定的に相手もその言葉を受け取ってくれますし、自身のキャラクターが承認されたという気持ちになることができます。

時代の変化にあったコミュニケーションを身に着けよう

 「①叱らない ②自慢しない ③褒める」という3つの要素を元に説明してきましたが、心理的安全性は、普段のコミュニケーションを元に醸成されるものです。なおかつ、新しいメンバーは、古参のメンバーのふるまいをみて育つので、マネージャーや年長者からこのようなふるまいをしていくことが、心理的安全性高い組織をつくる上では大事になってきます。

 正直、このようなコミュニケーションに戸惑うビジネスパーソンは少なくないと思います。しかし、多くのグローバル企業が多様性や持続可能性を高らかにうたう中で、世界の標準になりつつある概念なのです。いわゆる「昭和のコミュニケーション」を継続する組織やビジネスパーソンはどんどん社会から見放されて、信用を失っていくでしょう。時代の流れを的確にとらえて、個人や組織の「文化」を変えていく必要があります。

 そんな外資企業みたいなことできない!と思った方、ご安心ください。国内企業でもちゃんとやっている会社はやっています。そしてこの記事にあるとおり、マネジメントから変わっていかないと、組織の文化は変わらないのです。

 そして我田引水で恐縮ですが、チームの対話とビジョン形成を軸にした「コミュニティ型組織開発」のプログラムを提供しています。参加メンバーがフラットに関われるように変容するためのインプットと数々のワークを組合わせてデザインしています。ご興味ある方はぜひホームページのフォームよりお問合せ下さい!

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