倍速で楽しみたい海外ニュースの世界
倍速視聴だけでなく、自動翻訳(DeepL)、自動要約(Summari)、自動キュレーション(Feedly)で気になる海外ニュースを効率的に楽しむ方法。
今回は日経COMEMOが意見募集をしているテーマ「あなたが倍速で楽しみたいことは?」に回答する形で、最近話題の「倍速視聴・消費」について書いてみたいと思います。
先にお伝えしておくと、自分自身は倍速視聴のための様々なツールを以前から利用しているほうだと思います。特にコロナの感染がスタートした2020年初頭からは、そのペースが高まったという自覚があります。
Netflix、アマゾン・プライム、U-Next等の動画配信サービス、YouTube、TVer、NHKプラス等、見てみたいと思える番組、映画、ニュース番組、カンファレンスのプレゼンテーションの動画アーカイブ、そしてポッドキャストまで、今では本当に気になる、そして時に内容を確認しておきたいコンテンツが溢れるように増えています。もはや考えることなく、当たり前のように速度をあげて動画視聴をすることが習慣になってしまいました(よくも悪くも)。内容の概要を知っておきたいと思えるコンテンツの場合、日本語であれば2倍、英語のコンテンツであれば1.3倍くらいで視聴することが多いです。
いつから使い始めたかすら今となっては思い出せないのですが、過去3年間くらいは「Video Speed Controller」という「Google Chrome」ブラウザーの拡張機能をインストールしたことで、あらゆる動画コンテンツを規定の1.3倍等ではなく、2倍から2.5倍でも視聴することが可能になりました。
理由としては、コロナ禍で人と会う機会、時間が減少した分、オンラインコンテンツを通じて娯楽や、新しい知識やスキルを身につけたいと思ったことがきっかけです。倍速視聴習慣を取り入れることで数多くのコンテンツと出会い、消費や吸収することが可能になり、知的好奇心が満たされる、と感じることが多くありました。散歩をする機会が増え、ポッドキャストなどのながら視聴を通じて新しいコンテンツの楽しみ方を知ることができました。
もちろん「トップガン」のような映画館で臨場感が感じられる作品、或いは最近はあまり参加することが難しいカンファレンスやイベントでのセミナー、講演等は倍速にしたくない、「特別な体験」です。早くそうした機会が増えることを切に願ってます。
さて、動画・音声コンテンツの倍速視聴に関してのみならず、コロナ禍を経て以前より加速度的にコンテンツ消費のスピードが可能になったと感じているのが海外ニュースの倍速消費です。具体的にその変化を可能にしたツールを3つご紹介します。
【1】自動翻訳ツールのDeepL
海外のニュースコンテンツを読む際、英語の場合はどうしても読解するのに時間がかかっていました。日本でも利用者が多いDeepLによる、特に今年の5月に可能になったページ全体翻訳機能を使うことで、情報吸収のスピードが格段に上がったとことを実感しています。YouTubeの動画コンテンツであっても画面右下の「…」から「文字起こしを表示」をクリックすることでテキスト化された内容を全文翻訳することが可能です。倍速どころか以前の数倍効率的に海外ニュースに触れることが可能になりました。
【2】自動要約ツールのSummari
英語の記事の場合、深い分析や考察は「超」がつくほど長文の記事が数多くあります。今までは途中でくじけていたような文章であっても、Summariという要約サービスを利用することで「ダイジェスト版」に要約された内容をワンクリックで知ることができます。映画の予告編のように、1~2分で概要を知ることで本編を読むかどうかを判断できるようになったことは本当に画期的と感じます(その上でDeepLを活用して自動翻訳で読むことができます)。
【3】自動キュレーションツールのFeedly
Feedly(フィードリー)というツールは指定したウェブサイト、ニュースサイト、ブログ等のURLを登録することで、そのサイトの新しいコンテンツが追加された際に自動的にピックアップしてくれるキュレーションサービスです。これだけでも便利なのですが、昨年12月に新しく実装された機能は本当に素晴らしいと感じています。
この「RSS Builder」という機能を活用することで、ウェブサイト全体ではなく、ある特定のコーナー、例えば特集コンテンツのカーボンゼロ [ https://www.nikkei.com/special/zero-carbon ]のサブドメイン内の記事だけを抽出することが可能になりました。同じ様な設定を他の媒体のURLから行うことで、自分だけの業界動向チェックサイトが簡単に作成できます。
いかがでしたでしょうか?テクノロジーの進化によって娯楽、学習、リサーチ等、場面に応じて様々なタイプのコンテンツの消費・吸収が以前では想像もできないレベルで「効率化」が可能になりました。目的に応じてオリジナルの速度やスタイルで接することもあれば、倍速、自動化で「タイパ(タイムパフォーマンス)」を求める人もいると思います。よし悪しの問題ではなく、「選択肢がある」ということにとても感謝しています。
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