見出し画像

リモートでも生産性を落とさず働くには?フルリモートで働くZ世代の会社が意識している3つのこと

コロナウイルスの影響により、多くの人が働き方を変えざるを得なくなった2020年から4年。働き方のなかで、もっとも顕著に変化したのはリモートワークで働く会社の増加です。

自分や家族の時間が増えたり、自分の好きな環境で仕事ができたりと、メリットを存分に活かして自分らしく働けるようになった方は少なくないですよね。

厚生労働省が公表するデータによれば、2020年を境に半数以上の会社がリモートワークを導入したことがわかります。

出典:「テレワークについて」(厚生労働省・総務省テレワークポータルサイト)

一方で、アフターコロナでは「出社したい」「リモートワークではトラブルが起こりがち」という声もあり、リモートワークをやめる会社も現れているようです。

そんななかで、今回は2021年の設立当初から全員がフルリモートで働く僕と私と株式会社が、フルリモートで働きつづける理由や、フルリモートでも円滑に業務を行うために気をつけていることをご紹介します。

フルリモートで働くのは「自分らしく働く」ため

これが、僕たちが3年以上フルリモートで働きつづけている1番の理由です。

リモートワークはあくまでも「自分らしく働く」ための手段であり、リモートワークで働くことを目的としているわけではありません。

Z世代は、仕事内容やワークライフバランスに匹敵するほど「服装や髪形など自由な身だしなみで働く」「場所にとらわれずに働ける」「副業・兼業ができる」などを重視しています。SNSで多様な生き方を目にしているため、アイデンティティを守ることを大切にしているのです。

一方で、それぞれのアイデンティティは多様性があるもの。僕と私と株式会社が実施した調査では、Z世代に「理想の出社頻度」に対するもっともも多かった答えが「毎日出社」で38.5%、次点が「毎日リモートワーク」で32.0%とその差はわずかでした。

最近は「Z世代は定住暮らしが合わない」という記事やニュースも見かけるようになりましたが、その実態はフルリモートであることを望んでいるのではなく、それぞれが自分に合った働き方を望んでいるだけなのです。

もし皆さんのなかに「Z世代が働きやすい会社を作りたい!」と考えている方がいたら、それぞれが今日はどこで誰と働くかを選べるような環境を作ることを目指すのが良いかもしれません。

採用問題の解決や、メンバーのストレス緩和…フルリモートで働くメリット

とはいえ、僕は1人の経営者としてフルリモートの会社を作るメリットも感じています。

① オフィス代がかからない
② さまざまな事情を抱えた優秀な人材が集まりやすい
③ メンバーのストレスがかかりにくい

フルリモートの会社はオフィス代がかかりません。これから会社を設立する人にとってはかなり資金繰りが楽になります。

また近年は、「地方に住みたい!」「家族の事情で、移住する必要がある」など、各々が働き方について理想を持っています。

自由な働き方を実現できる会社であれば、「働きたいのに働き方がマッチしない」と応募を辞退されたり、こちらが採用を諦めたりすることがなく、経営者にとっては採用問題の解決にもなるのです。

さらに、コロナ禍で一度リモートを経験したことにより「家でも仕事ができるじゃん!」と感じた方は少なくないかと思います。そんな方にとって、通勤時間がかかることや都心の満員電車のストレスは大きいはず。

しかし、仕事に向かう過程でストレスを感じるのは経営者にとって本望ではありません。リモートで働くことによりストレスが軽減され、前向きに仕事に向き合えるようになるなら、喜んでリモートワークを推進したいと僕は考えています。

リモートで働くコツ①:「何をすれば良いか分からない」は徹底的に防ぐ

一方で、フルリモートの働き方にはデメリットもあります。

① 一緒に横で手を動かしながら教えることができない
② まわりの空気を掴みにくく、メンバーが環境に馴染みにくい

逆に言えば、この2つ以外はシステムの導入や制度作りによって改善できますし、この2つに関しても少しの工夫をすれば解決できると考えています。

例えば「進捗確認ができず、業務が進みにくい」という悩みには、指示出しをするときに期限と担当をきちんと伝えるというルールを作ることで対応。

「お願いしてもなかなか実行されない」という場合は、PMを立ててガントチャートを作るのもおすすめです。スケジュールを全員で把握できるようにすることでお互いに「これできてる?」と確認することができます。

また、ミーティングの最後には必ずネクストアクションと担当者、期限を決めます。これにより、次回の定例まで「何をすれば良いか分からないまま時間が経ってしまった」ということが減り、何も進まない状況を防ぐことができます。

リモートで働く会社のミーティングの方法にお困りの方は、ぜひこちらの記事をご覧ください!

リモートで働くコツ②:「教える・教わる」を円滑に

さらにぼくわたでは、業務の仕組み化・マニュアル化を徹底しています。誰かがもし業務に取り組めなくなっても、マニュアルを見れば対応ができるようにしているため、直接内容を教える必要はほぼありません。

しかし、それでもわからないことは発生します。このときに重要なのは「質問しやすい雰囲気を作る」ことです。

リモートの場合は、隣にいるわけではないからこそ、「ミーティングで聞きそびれてしまった」「Slackで聞いたのになかなか返事が返ってこなくて作業に時間がかかってしまう」ということが起きがちです。

それを未然に防ぐため、マネージャーには質問に対してできる限り即レスで返信することや、月に1回面談をセットして悩みを吸い上げることを意識してもらっています。

リモートで働くコツ③:オフィスがなくても直接会える時間を増やす

メンバー同士が直接会えないことが、どれほど仕事をやりにくくするかは、リモートになって初めて気づいた方が多いのではないでしょうか。

リモートではお互いの意図や空気を掴みにくく、チャットや電話で交流ができるとはいえ、オフラインには勝りません。

そのためぼくわたでは、メンバー同士が直接顔を合わせられる環境を作ることで、うまく補完できるようにしています。

① 福利厚生にシェアラウンジ利用
② ミーティング中に雑談タイムを作る
③ 積極的に社内イベントを開催
④ 月1ワーケーションを実施

例えばミーティング時には、指名制でそれぞれから報告をしてもらうようにしたり、意見を言ってもらったりします。冒頭には最初に3分の雑談タイムを導入。月に一度、メンバー全員が出席する「ぼくわた会議」では10分間ブレイクアウトルームに別れて雑談をしてもらっています。

これは、できる限り多くの人にミーティング内で発言をしてほしいからです。リモートで働く会社では、ミーティングが数少ない顔合わせの機会ですが、ファシリテーターや上長など、発言する人がどうしても限られてしまいます。メンバーが疎外感を覚えず、当事者意識を持って業務に臨むためにも、メンバー全員に発言機会を持ってもらうことは大切です。

また、福利厚生としてのシェアラウンジ提供やワーケーションも実施しています。

この機会で一気に仲良くなり、その後個人的に会ったり、一緒に仕事をしたりしているメンバーも多いようです。

先日もメンバーとフィリピンにワーケーションをしに行きましたが、仕事の合間に一緒に食事や観光をすることで仲が深まることを身を持って実感しました。

「リモートワークができる」と、楽しく働ける人が増える

リモートワークには「通勤時間の短縮」や「好きな場所で働くことができる」など働く側にとってもさまざまなメリットがあります。

特に、現在社会人のZ世代は、ほとんどの人がコロナ禍で入社をしたため、リモートで働くのが当たり前という感覚の方もいるかと思います。

一方、上で述べたようなコミュニケーションの課題など対面のほうが円滑に物事が進むことがあるのもたしかです。

そんな世の中で一体どうすれば良いのか僕自身も悩むことはありますが、現在はそれぞれが選んで働けるような環境整備を軸として、リモートワークができる会社作りを進めています。

大は小を兼ねると言うように、リモートで働ける環境にするデメリットがないのです。

今回ご紹介した対策などをうまく取り入れて、皆さんのリモートワークスタイルがより充実したものとなりますように!

***

このnoteでは、Z世代経営者の僕がZ世代の最新事情やZ世代のマーケティング会社「僕と私と株式会社」を経営するなかで感じたこと、ビジネスハックなどを発信しています。

ぜひフォローして、次回の更新をお待ちいただけたら嬉しいです。
スキやコメントもぜひお願いします!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
他にもこんな記事を書いているので、よければご覧ください!

※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登について

今瀧健登 / Imataki Kent(Twitter:@k_hanarida
僕と私と株式会社 代表取締役 
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
一般社団法人Z世代 代表

1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。

日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 いただいたサポートは本を買って読みたいと思います。