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会社員という「職業」が消えるー(続)テレワークが戻るのは「元ワーク」か?

テレワークをやめて会社に戻れというが、その戻ろうとするワークスタイルは、60年続けてきた「元ワーク」ではない。コロナ禍に入り4年経て、テレワークで仕事に支障が出ているから、コロナ禍前のように会社に集まって仕事をしようと会社はみんなに命じるが、そのワークスタイルは元のワークではない。これを読み違えたら、これからががらっと変わる


1 職業欄から、「会社員」が消えた

かつて普通にあった職業欄の「会社員」という項目が減っている。会社に所属しているという意味で「会社員」と書いていた人はいただろうが、「会社員」は職業ではない
 
「職業・システムエンジニア」とか「職業・マーケティング」とか「職業・デザイナー」「職業・経理事務」とか「職業・法務事務」とかと具体的に書く人が増えている。ただ、昔、職業欄に「会社員」と書いていた時も

「会社員」という概念は
よく分からなかった

就職も、そう。就職は職に就くことなのに、就職の面接では「御社には入ればなんでもします」と言った人が多かった。現実、そんな「会社員」人生だった。営業でも、総務でも、人事でも、企画でも、サービスでも、研究所でも、なんでも人事異動発令されたら、それに従った。発令されたら、2年、3年、5年経ったら、別の部署に、異動した。新しい職場で、一から勉強して、新しい知識を詰め込んで、新しい人間関係を構築して、朝から晩まで何でもした。夜も土日も、イベントや接待で潰れた。その職場に過剰適応して、慣れたころに、また次の新しい職場に行って、その繰り返し

会社に入って
いろいろな経験をして
その会社の知識・スキルは身につけたが 

その知識・スキルは、その会社で通用しても、会社の外では通用しない。会社を辞めたら、そのスキルは他では通用しない、辞めていった先輩たちの現実を垣間見た。だから自らのチカラの市場価値の低さを知っているから、会社を定年まで辞めなかった。会社に長くいればいるほど、社内で給与が上がり、役職や立場があがるので、会社の上司の無理難題に耐えた。じっと我慢して、順番を待っていたら、いつか階段が登れると信じて、頑張ってきた。しかし気がついたら

会社の空気が変わった

2 「就職が就社だった」会社文化の崩壊

就職は、実質、「就社」だった。学校の講義よりも就活を優先して、何度も何度も面接に臨み、難関を突破して入社できた。入社後の集合教育をうけ、配属され、OJTという名で会社色に鮮やかに染められ、異動するごとに、その色は濃密になり、10年も経てば、その会社らしい人になる。業種、業界、会社ごとにそれぞれの文化が形成され、外から見たら、どの会社に勤めているかは分かった

そんな就職=就社の方程式が変わった。現状の就職ランキングも就社ランキングだが、この10年、人気ランキング上位の会社に入社しても、1年・2年・3年で辞めて、自らがすべきと思う仕事を求めて、新しい会社に転職していこうとしている。就業観、会社観ががらっと変わろうとしている

就社から、真の就職へ
 終身雇用・年功序列から成果主義へ

その変化のリアルが、ネットのサイトに見える
会社が自社内の特定の仕事を外部の人に依頼するサイトが増えている。「これに困っている。その戦略を策定してほしい。この仕事をしてくれる人、だれかいませんか?」「Z世代の意識調査をしてほしい、だれかいませんか?」「注目されるデザインをしてほしい、だれか?」「2024年問題の情勢分析してほしい、だれか?」「インバウンドビジネス向けの提案書を作成してほしい、だれか?」—そんな企業からの依頼を受託できるスキルがあれば、フリーランサーとしてオンライン・テレワーク・フリータイムで仕事をこなせる。副業でダブルワークもできる。そういう時代に入った

就社から就職・キャリアへ
終身雇用・年功序列から、成果主義へ

すでに始まっている。そういう仕事が成立している。そういう仕事のスタイルに変わっている会社と、そういう仕事のスタイルに転換できない会社がある。しかし会社の実態は、ジョブ型に移行している。時間管理のワークスタイルから、ジョブ型スタイルになろうとしている。会社のなかに決められた時間にいたのかどうかという時間管理の評価から、仕事の成果で評価される時代になろうとしている

明らかに、テレワークを減らして会社に戻ってこいというワークは、「元ワーク」スタイルではない。新しいワークスタイルになっている

そのように認識するか否かで、現状との向き合い方の違いで、会社のその後が大きく変わる。戦後ずっと護送船団だった日本の会社も、各社バラバラになりはじめている。テレワークをつづける会社とテレワークをやめる会社もある。ジョブ型に移行する会社と時期尚早と前のままの会社がある。ダイバーシティを進める会社とそうでない会社がある。選択される会社と選択されない会社がある。バラバラになりつつある

3 フリータイム・ジョブ型時代を生きるチカラ

このように就社、フリータイム・ジョブ型時代に移行していこうとするなか、「キャリアを積まないといけない」と考えて、いろいろな会社で経験を積んだり、「キャリアアップしていく」と、自らの専門的なスキルで、より給料の高い会社の職業に転職するという動きが加速しており、かつての就社時代の就活面接で言っていたような

「何でもします」では通用しなくなった

「なんでもします」ではなくて、「私はこれができます」のチカラが必要である。そういう仕事観、就業観をもたないといけなくなった。本来当たり前の話だったが、そうなりつつある

にもかかわらず、「これができる」能力がないのに、キャリアを積むのだ、キャリアアップするのだと転職を考える人も多い。しかし「これができる」とは、自らの責任で求められるミッションをやり遂げるチカラがあるということを意味しているが

一休さんが多すぎる

一休さんとはなにか?
「あなたが屏風から虎をだしてくれたら、虎を縛ることができる」という人が増えた。「あなたがこれをしてくれたら、私はやります」という人が多い。虎を出してもらえるなら、あなたでなくても、誰でもできる

大事なのは、屏風から虎を出すこと 

実際は虎を出すのは、難しい。しかし虎を出せるような力がなければ、現実の社会では生きていけない。自覚を持ち、リスクを取って、求められるミッションをやり遂げる。そして、そのアウトプットの品質は、世の中で通用するレベルがないと、真のキャリアとは言えない

キャリアとはそういうもの
それを磨きつづけないといけない

そんな新たなワーク時代に、すでに踏みだしている。決して楽ではないが、やりがい、働きがいはある。もう60年つづいた元ワークには戻れない。どう変わっていくかは、未来展望・未来開拓セミナーで

未来展望・未来開拓セミナー


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