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2024年版第18回『学びに役立つデジタルツール調査』 〜AIツールの躍進

英国在住のコンサルタントのジェーン・ハート(Jane Hart)氏が2007年から毎年実施している公開アンケートによって選ばれる「Top Tools for Learning」の2024年版が、今年の9月上旬リリースされました。個人によるプロジェクトですが、過去18年間、毎年定点観測的に開催され、近年は投票数は減っている印象ではあるものの、1,599人からの投票&推薦が寄せられたとのことです。

時代の流れとともに必要とされるツールや流行のアプリが変化していく中で、こうした定点観測はとても貴重な資料的価値があるのではないかと思います。私自身も2019年と2020年に以下の記事で取り上げて以来、折に触れて参照している情報源です。

2024年版第18回『学びに役立つデジタルツール調査』の結果は…

image credit : Top 100 Tools for Learning 2024

2024年の学習向けトップ10ツールは以下の通りです。

  1. YouTube(→)

  2. ChatGPT(↗2)

  3. Google Search(↘ 1)

  4. PowerPoint(↗1)

  5. Zoom (↗5)

  6. Microsoft Teams(↘ 3)

  7. Word (↗1)

  8. Linkedin(↘2)

  9. Canva(↗2)

  10. Wikipedia(↘ 3)

「YouTubeが首位なのか?」「Zoomが5位なのか?」「ChatGPTが1位ではなくて?」などといろいろな解釈があると思いますが、あくまで教育分野での利用という目的の中で個人的には目安として参照させてもらっています。

生成AI関連ツールに関しては昨年ChatGPTが4位としてリストに躍り出し、今年は2位にランクアップしています。他の今年新規エントリとして別のAIチャットボットであるMicrosoftのCopilot ( 20位)、Perplexity (47位)、Claude(50位)、GoogleのGemini(53位)がランク入りしています。

2019年、2020年には面影もなかったツール群が躍進していることに驚かされてます。

更に今回はカテゴリを4つの大分類に分けてまとめられています。

image credit : Top 100 Tools for Learning 2024

【1】個人の学習と生産性(ブラウザ、検索エンジン、AI検索エンジン、参照サイト、翻訳、生産性向上)
【2】コンテンツとコース(ビデオ・動画、オーディオ・ポッドキャスト、電子書籍と要約、講座・学習)
【3】コミュニケーションとコラボレーション(メール、メッセージング、ビデオ会議、ライブ・エンゲージメント、グループウェア、ホワイトボード、SNS)
【4】コンテンツの作成と管理(ドキュメント、プレゼンテーション、スプレッドシート、ビデオ・インタラクティブビデオ、グラフィックデザイン、スクリーンキャスト、フォームとクイズ、ブログとウェブサイト、講座、ドキュメントストレージ、学習プラットフォーム)


いかがでしょうか? 改めてこうしたカテゴリーごとにツールを眺めることで、ご自身が利用しているデジタルツールの更新作業に役立てていただければ幸いです。3年前とはがらっと異なるツール群が数多く登場していることに驚かされます。

だらだらとYouTubeやSNSをついつい眺めてしまうことはあっても、時間を取ってこうした新しいツールを学習するのはなかなか大変、とも感じます😅。

ただ、最近は海外との比較で国内での生成AIツールの利用がなかなか進んでいないことも指摘されています。

今夏発表された政府の調査によると、日本企業の半分以下が生成型AIツールを使用しているのに対し、米国や中国では80%以上が使用している。日本企業の大多数を占める中小企業では、状況はさらに悪い可能性がある。東京の調査会社帝国データバンクの最近の調査によると、日本の中小企業で生成型AIを活用している企業は20%未満だ。AIに関して、日本には取り残されることを恐れる必要がある。

[10/24 The Economist]
 
image credit: 10/25 日本経済新聞

年内も残り2ヶ月、今年一年を振り返りながら、デジタルツールのアップデート作業に時間を取って取り組んでみてはいかがでしょうか?


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市川裕康 (メディアコンサルタント)
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