チームワークは必要なのか?ー戦後最大の仕事の変革・「新仕事考」(上)
「御社は、テレワークはされているのですか?」と、必ず就活の学生に訊かれますと企業の人事採用担当者。テレワークのあるなし、テレワークをしていると言ったら出社は週何日ですか?と訊かれれます。コロナ禍でオンライン講義を経験した「コロナ禍」大学生が就活している
1.テレワークで、噴出していること
戦後最大の仕事の変革が進んでいるーテレワーク・リモートワークをそう思っている人と思っていない人がいる。ポジティブに取り組んでいる人とネガティブに取り組んでいる人がいる。在宅勤務から、テレワーク、リモートワークは、会社への影響や人への影響のみならず、社会・生活に幅広く、深く影響を与えつつある。もうすでに、社会を大きく変えている
テレワークは、自分の生活パターンに合わせて、仕事をしたり、家事をしたり、仕事のパートナーの都合にあわせて、仕事を自由にすることができる
それは、その人にとってはいいことだけど、仕事をしている時に、「わたし、子育てなんで」ということが起こっている。会社に通勤して、一日中、オフイスで勤めているときは、出社して会社を出るまで
時間がチャージされていた
それが変わった。テレワークの場合、社内の誰かに用があって電話をかけても、相手が電話に出ないときがある。電話したんだけど、出なかったよ。何をしていたの?と訊くと、「休み時間でした」と言われたら、頭にくる
現在のテレワークで内勤の仕事での導入率が高いのは、そういうこと。社外のお客さんとの絡みの多い仕事だと、「何がテレワークなんだ、すぐ来てよ」となる。もしくは、なにも言われない代わりに、その人・その会社の仕事がなくなる
また、あることで、金曜日に、ある会社に、急ぎの連絡をしたら、「今日は在宅勤務なんで、メールで要件を伝えてください」と言われた。メールを送ったら、今度は「今日はお休みさせていただいております。お返事は来週月曜日になります」というレスポンスがあった。まだメールへの自動レスポンスがあるだけましで、翌週月曜日に開封されるまでメールのなかに眠ることもある。テレワーク時代になって、そういうことが増えた
人との絡みが希薄になった
人と人の「間」がチグハグとなり
今までなかった仕事が増えている
仕事の進みが遅れているにもかかわらず、連絡してこないので、「どうしたの?何やってるんの?」と訊ねたら、「わたし、『オフタイム』だったんで」と言ったりする。戦場で兵隊が敵と戦っているときに、「わたし、今、休憩中」って言ってるようなもの。時間感覚がずれだしている
メールを送っても返ってこない。「時間外だったので、パソコンを立ち上げて、メールをしたら、会社に怒られるんです」と言う。そうすると、相手はこう
「そうなんだ、オフだったんだ。君はもいい」
すると、こういうことが起こる。テレワークで、「就業時間」内で仕事をするAさん、テレワークそっちのけで「終業時間」を過ぎても仕事をするBさんがいると、やっぱりBさんがいいよねとなると
差別だ。
と言ったりする。テレワークの意味がなくなる。テレワークを契機とした「新しい働き方」のポイントは、そこ。テレワークがいい悪いは、実はテレワークの問題だけではない。会社と社員の関係、仕事の方法論に、問題がある
2チームワークは、必要なのか?
「会社の仕事はチームワークでするものだ」とよくいうが、会社でのチームワーク、チームの仕事ってなに?
例えば、プロのサッカーチームは、試合がはじまるときに、選手が集まっていないと試合が成立しない。試合が始まろうとしているのに、4人しか集まっていないと、試合はできない。プロのサッカー選手はサッカーをすることが仕事だから、 チームワークを否が応でも選ぶ
会社のチームワークは、サッカーとは違う。チームの全員が揃わなくても、仕事ははじまる。仕事の進捗のなかで、人員を増やしたり減らしたりする。あるメンバーに任した仕事が思うようになっていないと、リーダーがやきもきして、仕事ができるメンバーを投入する
つまりチームワークとは、誰かが失敗したときとか、誰かがあけた穴とか、マイナスになったことを、誰かに埋めさせることともいえる。つまり
「チームワーク=麗しいこと」ではない
ましてや、アイデアを出すために、みんなが集まってワイワイガヤガヤして出そうとするが、それはチームワークとはいえない
在宅勤務・テレワーク・リモートワークは、会社のなかのチームワーク・コミニケーション・世代間ギャップの課題を急速にクローズアップさせている。これまで長く取り組んできて、そういうものだと信じてきていた会社の仕事法が通用しなくなりつつある。わたしたちが直面している戦後最大の仕事の変革の論点を本日から3回で考える