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「セールスが苦手なフリーランサー」が 売れるために読むべき思考術。

私はセールスが苦手。

最初に言っておくが、私はセールスが苦手だ。
だから若い頃は「営業職」を避けてきたし、今でも むやみやたらに買ってくれる人を探す方法を選択しない。若い頃ならまだしも、50代になって 苦手克服に時間とお金を費やす気にもなれない。つまり、私にとってセールスは昔も今も「苦手」の代表格だ。

昔はそれでもセールスをしなくていい職種もあったし、会社勤めをしていく上で不自由な印象はまったくなかったように思う。しかし経営者になると話は別だ。

起業した途端に「セールスの重要性」を私は痛感した。「買い手」のいない会社(事業)に明るい未来はない。苦手とかそういう次元の話ではない。やらなければならないのだ。

買い手不在のビジネスに明日はない。

さて、なぜ私が ”自分のこと”を書いたのかというと、この記事を読んでくれるフリーランサーの皆さんも「私と同じ」だと思うからだ。
フリーランサーであろうが、ひとり社長であろうが、中小企業の社長であろうが「買い手がいないビジネス」には未来がない。

だからといって私のように「セールスが苦手な人」ばかりではないでしょう。中にはセールスが得意で、買い手をバンバン獲得している人もいるかもしれない。そんな人はこの記事を読む必要はありません。きっとセールスが得意な人。それは経営という意味においてはとても大きな強みなのだ。

この記事を読んでほしい人。

今日の記事は、対象を「セールスを苦手としている人」としてこれから書いていこうと思う。
なぜかというと答えは簡単。私自身がその「セールスが大の苦手な経営者」だから。苦手なんて言ってられない。なんとかしてやり切らないと「自分の未来もなくなる」。わずか7~8年前にそう思って、その「苦手渦」から抜け出した”苦手人”だからだ。

だからといって 私はその苦手を「克服」したわけではない。先に言っているように 私にとってセールスは昔も今も「苦手」の代表格であり、できることなら避けていきたい仕事の筆頭だ。

だからこそ私と同じように「セールスを苦手にしている人」に読んでもらいたい。これは「セールス克服マニュアル」ではないが、少なくとも「苦手との向き合い方」という点においては多少の応用は効くと思う。
そんな期待を込めて読んでいただけると、書いた甲斐があるというものだ。


まずは「なぜセールスが苦手なのか」を考えてみる。

人は誰しも「得手不得手」がある。難易度が高くなればなるほど「得意率」は下がるが、そんな難しいことにでも「得意だ」と胸を張れる人がいる。

子供のころは学習教科において「得手不得手」を植え付けられる。算数が苦手な子には「苦手だと認識した出来事」が理由としてあるものだ。

何が言いたいのかというと、セールスが苦手な人にも「セールスが苦手な理由」というものが潜在的にあるのではないかと思うわけだ。

私の場合、子供のころに家にやってきた訪問販売員を母が煙たそうに見ていたことや、営業職だった父親が「お前は営業にはなるなよ」といつも言っていたことが「営業=嫌われる」という意識を生み出したのだと、振り返るとそう思う。

これは私の場合の話だが、それぞれが「苦手だと感じたきっかけ」があるのではないかと思う。そしてそれをきっかけにして「セールスをすれば人に嫌われる」というセルフイメージをつくってしまう。

そう、「苦手」には それを苦手だと思う「セルフイメージ」があるわけだ。その自分自身の「セルフイメージ」によって、脳に「苦手」だとプログラミングされるのだ。


セルフイメージがもたらすもの。

セルフイメージとは、自分自身が自分を「どんな人間か」と思っているかというイメージだ。

例えば、いつも数学の成績が下の方のAさんが、たまたまテストのヤマが当たって連続してトップクラスの成績を上げたとしよう。
Aさんの健在的な感情は「嬉しい」と確かに感じるのだが、反面「トップクラスにいる自分」に居心地の悪さを潜在的に感じる。
その「居心地の悪さ」は、「いつも下位にいる自分が本当の自分」というセルフイメージによるものだ。そしてその「居心地の悪さ」は無意識のうちに成績を下位に下げていく。無意識レベルでいつもの居心地のいい自分に戻ろうとするのだ。

セルフイメージは過去の出来事に起因する。そして一度付いたセルフイメージを変えることは難しい。意識的(顕在的)にはセルフイメージが高まった気になることはあるが、無意識領域(潜在的)では変わっていない。
それがセルフイメージの厄介なところだ。

セルフイメージは、一説によると3歳くらいからでき始めて およそ18歳くらいまでに完成してしまうと言う。この記事を読んでくれている人の年齢層は18歳以上であろうから、つまりこの記事を読んでいる人はすでに「固まったセルフイメージ」を持っていることになる。

それを意識できている人もいれば、それに気付いていない人もいるだろう。それはどちらでもいい。

私が言いたいのは、あなたがもし自分のことを「セールスが苦手だ」と感じているならそれはセルフイメージによるものだということだ。能力や性格や年齢・性別の問題ではない。その感情を司どるセルフイメージが自分を「そういう人物だ」と思わせているに過ぎない。

まずはその自分のセルフイメージがつくられた理由を考えてみよう。自分自身のその理由を棚卸しするのだ。そうすれば次にどう進めていけばいいかが見えてくる。


「セールスが苦手」というセルフイメージを持つ人が、次に打つ手。

これは私の個人的な考え方だから一概には言えないのだが、私は「セールスが苦手な人」がその「苦手克服」に時間やお金を費やすのは無駄だと考えるタイプだ。

いろんな考え方があるので、ここではあくまで「私見」として書いていくことにしよう。私の言いたい”意味”を読み取っていただけることを願って書いていくこととする。

私は「セールスが苦手」だと感じている人が何をすればいいのかという問いに対してこう言うだろう。

売り方を考えろ」と。

とても抽象的でありきたりな言い方で申し訳ない。私の言う「売り方」とは「顧客がそれを買うまでの道筋を設計しろ」という意味だ。どこでどう売るかというテクニックの話ではない。具体的な顧客導線を、まるで設計図を描くように考えるべきだと言っているのだ。

まず「人がお金を払って何かを買う」という行為・行動をリアルに具体的に考えることがすべての始まりだということだ。

セールスが得意な人は、その「積極性」と「個人力」でセールストークを駆使して、文字通り相手をクロージングするわけだ。しかし「セールスが苦手な人」はそれができない。

では何をするか。

まず最初にすべきことは、先ほど言ったように「人がお金を払って何かを買う」という行為・行動」について深く理解することが必要なのだ。

人は多くの場合、「必要なもの」か「欲しいもの」を買う。あなたの商品・サービスはどちらなのか。
例えば、トイレットペーパーのように生活する上で「必要」なものなのか、自分が豊かな生活をするためにそれが「必要」になったのか。
または何かの問題や悩みを持っていて、それを解決するためにそれが「必要だ」と感じたのか。

いずれにしてもそこには深い「購買動機」がある。動機なくして購入はないのだ。
ということはセールスのまず最初の重要ポイントとして「動機付け」が必要になる。特に「セールスが苦手」だと感じている人にとってこの「動機付け」という考えはキーポイントだ。

「それをあなたから買いたい」と思わせる”動機付け”。

私はそれがセールスの重要な起点になると考えている。


あなたのビジネスは、
「誰の何を」解決できるのか。

顧客が”ソレ”を「あなたから買うべき理由」を考えるときに、私は自分自身にまずこの問いをかけることにしている。

私の商品は「誰のどんな悩み」を解決できるものなのか。

例えば、誰かが病気を患って病院に行くとしよう。
病院に行くくらいだから不安や不調を感じているということになる。それを仮に「悩み」と呼ぶとする。

その「悩み(不安や不調)」を「解決(治療・治癒)」するために専門家である医者の診断を受けるわけだ。

すると医者からいくつかの提案がある。
「このお薬を飲んで様子を見ましょう」とか、「検査して原因を特定しましょう」とか「注射を打ちましょう」とか「今すぐ入院です」とか。

これは何を言いたいのかというと、あなたの商品をセールスする上で重要なことは、この医者がするような「提案をすること」だということなのだ。

あなたの商品・サービスには「誰かの悩みを解決できる力」があるとしよう。そこであなたの商品・サービスを動機付けする上で重要なワードは「悩み」だ。買い手の悩みをどう解決できるかという部分にフォーカスできているかどうか。それによってあなたの「提案力」の是非が決まる。


セールスとは「提案」すること。

私の経験上、セールスとは「悩みを解決できるという提案」だと感じている。直接に電話して打ち合わせしてクロージングすることがセールスなのではなく、その方法はセールスの「ひとつの方法」に過ぎないと思うべきだ。

セールスが苦手だと思っている人が考えるべきは、それを顧客が「買うための動線」の設計だ。そしてその動線を組み立てる上で「提案する力」は無くてはならない心臓のようなものだ。

方法論はいくらでもある。
SNSで訴求するのも方法だし、Webサイト・LPで訴求する方法もある。DMを送ったりするのも方法のひとつ。それと直接テレアポしてセールスするのも方法のひとつだ。


もしあなたが「セールスが苦手」なマインドを持っているなら、方法論で「セールス」を語るなと言いたい。少なくとも本質的な思考でセールスをちらえるべきだし、どんなに口が上手くても、どんなに積極性があっても、顧客を「動機付け」できなければ売れるわけがない。

あなたの商品・サービスを売れるように「セールス」するなら、まずは顧客がそれを買うための動線をしっかり設計すべきだ。
そしてそれを「買わずにはいられない提案」を考え、動機付けすることだ。

セールスとは方法論ではない。セールスとは、もっと人の感情に直結するものであり、エモーショナルなのだ。



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