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Netflixの新聞広告は、どれだけマーケティング成果につながったのかを考えてみる

渋谷部や昨日の西武・そごう分析に続き、元旦の広告で圧倒的なインパクトを残した企業のマーケティングトレースをやっていきたいと思います。

話題を独占したNetflix!

西武・そごうの広告は、Twitterで「顧客の行動までつながっていないのではないか?」とコメントを頂きました。

その通りで、西武の「わたしは、私」という広告がどれだけコンセプトが優れていても業績に好影響が出なければ広告として成功とは言い切れません。
※当然ブランド広告なので、間接効果はあると思いますが。

一方でNetflixの広告は、会員獲得に大きく貢献した打ち手だったと考えています。

少し深掘りして考えていきましょう。

まずは広告の前提条件として、日本国内のNetflixの戦略・状況から整理していきます。

Netflixの国内会員数と料金プランについて

下記の記事によると2019年の9月時点で会員数は約300万人とのことです。
※海外含めると1.58億人の有料会員、時価総額15兆円と言われています。

料金プラン
ベーシックプラン800円 (税抜)
スタンダードプラン1200円 (税抜)

単純化して、平均の料金が1000円と仮定すると、
30億円/月
の会員収入となります。

この会員収益を伸ばすことがシンプルに広告の目的となります。

今回の話題性のある広告はどれだけ効果があったのでしょうか?

年末年始のNetflixの広告タッチポイント整理

Netflixは年末年始のタイミングで大規模にプロモーションを仕掛けており、とくに新聞広告が注目を集めました。

実は交通広告、デジタル広告などマルチチャネルで攻めてきていましたので整理してみました。

●新聞広告

朝日新聞と読売新聞で出稿。

●交通広告

12月中旬ごろに、山手線に広告出稿。

●屋外広告

六本木

渋谷


●デジタル広告

TikTok

LINE

Twitter

これでもか!!!

という程に攻めてきており、これは会員数を引き上げる機会だと捉えてのアクションだと理解できます。

Netflixは年末年始の広告にいくら投資をしたのか?

ざっくり試算します。

時間がないので新聞広告だけ数字感覚を掴んでみます。

広告価格について
朝日新聞全国版の全15段(1ページ)は39,855,000円
引用元:新聞広告ナビ

読売新聞は一面の広告掲載料金を確認することができなかったため、同じ金額だと仮定してみましょう。

下記の記事によると、販売部数は読売、朝日は下記の通りです。

今回は1新聞あたり3ページで朝日と読売の2新聞に掲載しているので、
39,855,000円×6=約2.4億
が、元旦の新聞広告掲載だけでもかかっています。

嵐のドキュメンタリー動画広告配信は、年末も1面カラーで出しているため、その広告投資も1.5億くらいいかかっているのではないでしょうか?

ざっくりと今回の広告投資予算を4億円とおいておきましょう。

続いて新聞広告の部数について確認。

読売新聞:794万部
朝日新聞:556万部
合計:1450万部

2.4億円の投資で1450万部(人)にリーチしていることを考えると、1リーチあたり16円という単純計算になりますね。

1450万部(人)のうち1%が会員登録までしていると仮に考えると、145,000人が新規会員として獲得できた計算になります。

新聞広告のパフォーマンス整理(超ざっくり)
新聞広告の投資額:4億円
新規会員数:145,000人
新規会員獲得単価:2,758円

NetflixのLTV=顧客生涯価値は感覚的ですが8000円(8ヶ月継続)くらいはありそうなので、新聞広告単体でみても広告の費用対効果はあっていたのではないかなと考えています。

さらに、新聞広告以外の、交通系広告、デジタル広告で新聞広告の2倍に近い広告投資をしており、各媒体の相乗効果もあり、新規会員は50万人は超えたのではないでしょうか・・・次の国内会員数発表が出たタイミングで振り返ってみたいと思います。

数字の正しい、正しくないは置いておいて、広告の裏側を読み解き、仮説をつくることは良いトレーニングになります。

今後のNetflixの打ち手を考えてみる

最後に打ち手に関する仮説です。

Netflixがやることはシンプルでしょう。

目的:LTVを高めるために

打ち手1:継続期間を伸ばす=コンテンツの充実

打ち手2:購入単価を高める=値上げ

①嵐コンテンツを継続投下
コンテンツを充実させて解約率を下げるために、Netflixは嵐のコンテンツを2ヶ月に1度くらいは投下してきそうな予感です。
そして、またこのタイミングで話題性を呼ぶ新聞広告や交通広告が仕掛けられるでしょう。

※追記

既に嵐は毎月コンテンツ配信していくという発表があるようです。


②値上げは定期的に実施
Netflixは定期的に値上げはしてくると予測できます。

前回の値上げ幅は、ベーシックプランが+150円(+123%)、スタンダードプランが+250円(+126%)となっています。次の値上げも、顧客の許容度を考えると120%~130%の範囲で行われる可能性が高いのではないでしょうか。

ちなみに、女性自身にNetflixとAmazon Prime videoの比較を寄稿させて頂きました。上記内容はその時に調べたものです

以上、Netflixの広告投資は、しっかりマーケティング戦略の中に組み込まれていることが理解できました。
※計算は超適当なので、誤りありましたらすいません。。今回はあくまで考え方をお伝えする目的で書きました。

以上、正月スペシャル、広告からマーケティング戦略を読み解くnoteでした!

やはりNetflixは西武・そごうの広告より、マーケティング成果につながってそうですよね。

Netflixの屋外広告についても書きました

https://comemo.nikkei.com/n/nc6417cdd6880

番外編:Netflixの組織文化から学ぼう

そもそも、Netflixのこの大々的な仕掛けができる組織体制や文化は気になるところですよね。

Netflixの成長を支える組織文化の参考記事と書籍をご紹介しておきます!
※有料記事です。

より詳細まで書かれた書籍はこちら↓

自由と責任を両立させた文化を築き、ダイナミックに市場を動かし、顧客を喜ばせることができるマーケティング組織をつくっていきたいものです。

🐼🐼🐼
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マーケターの筋トレコミュニティ #マーケティングトレース 主宰/日本のマーケティングリテラシーを底上げしていきたい。ブランディングテクノロジー(株)執行役員/パンダが好きなので上野の近く在住🐼

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1日1noteを続けるために黒澤友貴の日報をはじめました。マーケティングのことを中心に、日々の仕事を楽しくするためのヒントになるかもわからないことを書いていきます。

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