リモートワーク時代がもたらす新しい習慣とデジタルツール活用〜メモ・コラボレーションツールのNotion(ノーション)
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で今までに経験したことがないような働き方や暮らし方の変化が訪れています。在宅勤務が推奨される中で、今まではテック業界やスタートアップの世界を中心に利用されていたビデオ会議ツールのZoomやチャットサービスのSlackのような新しいデジタルツールが大企業、公共機関、教育現場などで幅広く利用されるようになりました。
今回ご紹介したいのは、メモ作成やコラボレーションを可能にするサービスとしてのNotion(ノーション)というサービスです。リモートワークが拡がる中、離れた場所からのコンピュータの画面を通じてのやり取りが増え、いろいろな情報を簡単に記録し、整理し、更にチームメンバーとの効果的な共同作業を行う需要が高まっています。そんな時にNotionは様々なサービスをひとつのプラットフォームサービス内でPCとスマホを同期しながら実現し、生産性を高めてくれるツールになるのでは、と強く感じるからです。
2016年にリリースされたこのサービスは既にテクノロジー業界やスタートアップの世界では熱狂的なユーザーに支持されてきたものの、使いこなすには最初に少し慣れが必要という印象を持っていたせいか、ZoomやSlackが現在得ているような認知度はないように自分自身は感じていました。そんな際、以下の記事の中で紹介されていたことをきっかけに改めて使い始めたところ、過去2日間、朝起きてから寝るまで、自分にとってはすっかり生活に欠かせないツールとなっていることに驚きます。
冒頭、「メモ・コラボレーションツール」とご紹介しましたが、この2日間使ってみただけでも、自分にとっては以下のような場面で既に大きな役割を果たしてくれています。
①毎日アクセスするニュースサイト、ドキュメントなどのリンク集
②To-Do リスト・タスク管理
③あるトピックについてのWiki的な情報集約場所
④PCやスマホアプリで気になった記事のブックマーク、保存、整理
⑤連絡先、プロジェクトなどのデータベース管理
⑥アイディアのメモや文章作成
ビデオ会議を行う時にオンライン上での資料の共有する際、議事録をオンライン上で保管する際、メールやチャットサービス、共有ファイルなど、あちこちに情報が拡散して探すための時間がかかってしまっている際、一つのサービスの中で整理できる強みがNotionにはあるように思います。会話のやりとりのような「フロー」の情報はチャットサービス、ミーティングはビデオ会議、そして「ストック」型の情報を集約する場所としての役割が増しているからです。また、起動やタイピング時、リンクをクリックした際など、動作が圧倒的に早い点も大きな魅力の一つです。
メモサービスのEvernote、共有ドキュメントのGoogleドキュメント、ファイル管理のDropbox、タスク・プロジェクト管理のTrello、ブックマーク管理サービスのPocketなどが持つ、全ての特徴を代替できるかは分かりません。ただ、上記のようなサービスが持つ機能の多くを一つのプラットフォーム内で統合して利用できる場所として十分に役割を果たしてくれそうです。リモートワーク対応が急速に求められる今、エンジニアやベンチャーコミュニティのみならず、Notionのようなサービスは大きく受け入れられる土壌が広がっているように思います。
新型コロナウィルスの対応で急速なデジタル化が求められている行政組織、保健所、病院などで、休校が長引く中でオンライン授業などの未体験の取り組みが求められる教育現場で、ボランティア団体など新しく生まれた組織ななどで、ノウハウ、プロジェクト管理、関連ニュースの共有など、多くの場面でワンストップの情報共有、コラボレーションのニーズが社会的に高まっています。
Notion は直近では世界中で400万人のアクティブな利用者がいると言われていますが、新型コロナウィルスが世界を直面する中で世界中で新規登録者が急速に増えていると同社COOのAkshay Kothari(アクシェイ・コサリ)氏は先月公開されたポッドキャストのインタビューで語っています。非営利団体や医療従事者が利用するケース、ハッカソン運営時のドキュメント共有などにも利用され、中国や韓国では以前の3倍の新規利用者が日々登録しているそうです。例えば以下のようなリモートワークに関する有益な情報とリンクを集約するWikiページも作成されています。
YouTubeなどで「Notion」について検索すると日本語コンテンツも含め多くの使い方が紹介されています。また日本語でも「Npedia - Notion情報局」というサイトにおいて活用法に関する情報が掲載されています。
自分自身Notion を使い始めてまだ2日目なのでまだまだ本当の意味で使いこなせているかは不安ですが、先日来新型コロナウィルスに対応するためのリモートワーク、ハッカソン、ウィキペディア的な情報ハンドブック、行政機関でのデジタル活用などのテーマに関心を持っていたこともあり、今回、このタイミングで新しい効果的なデジタルツールの存在を知れたことは嬉しく思います。
「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」という言葉とともに新常識や新しい働き方についての議論が深まる中で、新しい習慣としてのデジタルツール活用にも常にアンテナを張っておきたいと思いました。もしオススメのツールなどがあればコメント欄などでお知らせいただけたら嬉しいです🙂。
*Notionはフリーミアムモデルで無料版で利用できますが年間契約の場合月4ドルで個人利用の有料版にアップグレードが可能です。アプリをダウンロードしたり他のサービスとの連携等をすることで20ドル程度のクレジットを簡単に得ることができますので、その上で有料版にアップグレードするとお得です。また、既存利用者の誰もが発行することができるこちらのリンクから新規利用登録することで新規登録者は10ドル、発行した人が5ドル分のクレジットをそれぞれ得ることができます。口コミマーケティングの試みとして面白いですね:)