メタバースを活用するのではなく、メタバースの技術を活用しないと、ビジネスに結びつかない!
学生時代に遊んだ「シムシティ」!
「シムシティ」というゲームをご存じだろうか。空想の都市を自分で開発して、遊ぶゲームである。
自分の好きな都市開発を行える、一種のシミュレーション・ゲームである。都市のインフラを整え、都市が潤えば、都市の開発予算が増える。しかし、時々都市には、ゴジラが訪れ、都市が破壊され、復興を行う必要がある。
今から20年以上前のゲームである。ゲーム登場時には、とても人気だったが、今このゲームを行っている人は少ないだろう。しかし、このような「シミュレーション・ゲーム」のコンセプトは、今も残っている。レースシミュレーション、経営シミュレーション、恋愛シミュレーションまでもが、存在する。
デジタルのエンターテインメント・ソフトは、新しい遊び方を提供し、そのために、裏では必要な新しいプログラミングや、コンピューターのハードウェアを進化させてきた。
映像を多用するシミュレーション・ゲームのために、画像表示のソフトウェアーとハードウェアを進化させた。あるシミュレーションゲームが衰退しても、その技術は残り、継承される。例えば、現在の自動運転に使われる画像認識の技術は、シミュレーションゲームの延長線にいるといっても良いのだろう。
メタバースという空間、そしてメタバースという空間を作る技術
近頃「メタバース」という新しい空間が話題である。ある意味、この空間も、高度な画像表現技術を活用しており、シムシティーの頃では考えられない、「埋没感」たっぷりの映像と、体験を提供してくれる。企業の中には、このメタバース空間を活用したビジネスも出始めている。
服のマーケティングに、
お菓子のブランディングにと、その活用は、今後も増えるだろう。
ところで、少し考えて欲しいことは、この「メタバース空間」の寿命である。今は、メタバース空間は、新しさもあり、イノベーターといわれる、一部の方達には、とても熱い空間である。しかし、この空間に、全地球人が入ることはないだろう。その理由の一つは、この「仮想の体験」と、「リアルな体験」を比較する人が一定数存在して、その人達は「リアルな体験」を重要視するからである。
そして、今メタバース空間に注目しているイノベーター層も、メタバース空間に「新しさ」がなくなったら、興味が薄くなる可能性がある。そして、いつしか「メタバース空間」が過疎地になるかもしれない。
「メタバース空間」が衰退しても、メタバースの技術は残り、そして発展をするだろう。それが、私のシムシティーの学びである。
メタバースの技術とは何か。そして、メタバースの技術は何に応用できるのか。これが、私たちが向き合うべき、ビジネスのための重要な問いなのではないだろうか?
メタバース技術の理解のために、遊ぶのは有効だが、メタバース空間で遊ぶことをゴールにしない
メタバース空間を使ったイベント、スクール、販売など多くの社会実験が行われている。
そのこと自体は、メータバースの理解のために必要だろう。メタバースの本質理解や、技術理解のためである。しかし、勘違いしてはいけないのは、メタバース空間で遊ぶことをゴールにしてはいけないことである。メタバースで遊び、どの技術が今後も残るのか。ビジネスとメタバースを融合されたら、新しいビジネスが開発できるのかが、今私たちの課題である。
ややきつい表現を使うと、ほんとうにメタバースが、以前の「セカンドライフ」と違うのかも、明確な結論は出ていない。その経験から、「空間」に固執するのではなく、メタバース空間のための技術の研究が重要だと思うのは、私の老婆心だろうか。
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