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有事が変ったーこの12年の最大の変化

阪神タイガースが38年ぶりに優勝した。今年の3月、プロ野球開幕前に、タイガースが優勝することを予想した評論家はそれなりにいたが、まさか本当にタイガースが優勝すると、どれだけの人が思っていただろうか?

28年前、阪神・淡路大震災を大阪で経験した
12年前、東日本大震災を東京で経験した
5年前、大阪北部地震を大阪で経験した

前回の阪神タイガースの優勝から今年の優勝までの38年の間に、3度の大地震に、私は経験した

有事は有事で
もしもはもしもで
起こるかもしれないし
起こらないかもしれない
確率は低い

滅多に起こらないのに
それを真剣に受け止めるのは
時間とお金の無駄

真剣に計画をたて
真面目に実行しようとすると
そこまでせんでもえんとちゃうか
あなたは奇特な人やな
御社は余裕のある会社やな
と言われたりする

2011年3月11日の東日本大震災の未曾有の災害の様子をみて、防災・減災が論点となり、レジリエンス・国土強靭化の重要性が指摘され、有事になにが起こるのかを自分ごととして想像して、有事を乗り越えるために、なにをしないといけないかを考え、BCP(事業継続計画)をたて、有事に備え、準備し、実践する人、企業が増えた。しかし具体にそう動いたのは、一部の人であり、一部の企業だけにとどまっている

たしかに、東日本大震災の惨禍を見て、有事、防災・減災、レジリエンス・国土強靭化の重要性を意識して、自治体も企業も、みんなで、BCPをたてた。その対策も考えた。しかし最後の最後の決断の段階で

そこまでしなくても
大丈夫やろ
有事は起こったところやから
しばらく起こらんやろ

と決断しなかった人・企業が多かった

有事は必ずくる
そのときに、後悔しても、間に合わない
有事は目に見えなく、読めないが
いつか起こる

東日本大震災から12年
とても大事なことがある

有事の概念が変わった

天変地異で
川が決壊したり山が崩れたり
橋や道路が壊れたり
家やビルが壊れたり
することだけが、有事・リスクではない

有事・リスクを、人がつくりだすことがある
戦争がまさにそれ
それを人類は何度も経験してきた

「日本再起動」池永寛明

もうひとつは
人口減少・人手不足が生み出す
新たな有事・リスクがある

高齢化、少子化
人口減少、生産年齢人口の減少は
社会の運営機能を低下させる

有事の概念が変わり
新たな社会リスクのカタチが増え
リスク量は高まり
さらに高まっていく可能性がある

だからDX化、ロボテック化で
生産性をあげよ
…だけでは解決できないことがある

生産年齢人口が減るということは
これまで人が社会で経験して磨いてきた
知恵やノウハウがあった

それが弱くなることでおこりうる
有事・社会リスクが高まりつつある
いままでならばあり得なかった有事が
起こりはじめている

もうひとつある
技術の進化
とりわけ情報化が生み出す

新たな有事・社会リスクがある

すでに多くのことが起こっている
それも枚挙にいとまがない

さらに東日本大震災から12年で
最大の変化ともいえるが
あまり指摘されていないことがある

この12年で、急速・急激な
IT化・DX化、ロボテック化が進んでいる
と、みんな言うが
これは別の観点で言うと

有事においても
それが継続して機能しなければ
社会・産業・生活が停滞するという
重要負荷の中身が変わり
かつその量が急増している

これが12年前と現在の最大の変化のひとつ

IT化・DX化は、人口・経済以上に
東京に一極集中しており
これは
有事に日本社会を守るべき重要負荷が
東京に集中していることを意味する

エネルギー消費の東京への過度な集中が進み、一方エネルギーの生産は東京に集中していない。エネルギー消費地とエネルギーの生産地は離れ、その間をつなぐのも情報システム。その情報システムを動かすのも電気

すでに限界を超えている

有事・社会リスクの概念が変わった
有事を天変地異と捉えるだけではなく
新たな3つの有事・リスクは
人がつくりだしている

人がつくりだすものは
人がコントロールできるはず

有事においても
人の生命、事業を守ることが
何よりも大事だと
みんな、口では言うが

まぁ大丈夫やろう
しばらくは起こらへんやろ

有事はきっと起こらないとだろうと
コストを優先する
人、会社、いっぱい見てきた

有事はいつ起きるのか
分からないということは
今日、起きる可能性があるということ

有事、リスクは現在に内包している

有事を有事、平時を平時
と別々に考えるのではなく
平時と有事を切り離して考えない
自分ごととして考えるのか否か

有事は有事ではなくなった
平時のなかにある


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