「生の情報」を得るにはどうすればいいか?2人の経営者が考えるインプットの流儀【Minimal山下さん対談】
今回は、前回に引き続き、Minimalチョコレートの代表・山下貴嗣さんとの対談のなかから、「インプット」をテーマにお話ししたいと思います。
「チョコレートを新しくする」というミッションを掲げるMinimalチョコレート。そのブランディングを担う山下さんは、「知りたいことがあったら、詳しい人に話を聞きにいく習慣がある」と仰っていました。
お忙しい山下さんが、人から話を聞く理由。そこには、アップデートを続けるブランドを運営する山下さんらしいインプットの極意が詰まっていました。
今回は、そんな山下さんのお話から得た学びとともに、僕のインプット方法について改めて整理してみます。
いかに日常で生の声を拾うか。Z世代の企画屋さんのインプット
まず、僕のインプット方法は、大きく3つに分かれます。
①1日2冊本を読む
「読書とは、人生の代理経験だ」と僕は考えています。
こちらの記事でもお話しましたが、本には筆者の人生経験やノウハウが詰まっており、読書をすることで、僕たちはたった1時間ほどで情報をインプットできます。先日出版した『エモ消費』にも、僕がこれまでの人生で得た知見を最大限に詰め込みました。
僕は、本を毎日2冊読むことを目標にしています。23歳で会社を立ち上げ、ここまで成長させることができたのは、日々の読書習慣によるインプットのおかげと言っても過言ではありません。
②飲み会でZ世代と話す
僕は毎日、何かしらの飲み会に参加しています。もちろん取引先や社内メンバーと飲みにいくこともありますが、ほとんどは仕事に関係のない友人たちと飲んでいることが多いです。
仲の良い友人と話しながら飲むことがストレス発散になるというのも理由ですが、飲み会は僕にとって重要なインプットの機会でもあります。
僕と同世代であるZ世代に向けたマーケティングを行っている以上、当事者である友人の何気ない一言は貴重な一次情報なのです。
楽しく飲み会をしているときに新たなアイデアが生まれることも多く、純粋に楽しみながらも会話には深く耳を傾けるようにしています。
③日常生活でアンテナを立てる
何か特別なことをしなくても、日常生活にはインプットの材料が溢れていると考えています。
例えば僕が1人でレストランで食事を食べる際には、単純にごはんを食べるだけでなく、「このお店は何を売りにしているのだろう?」「この席数に対して〇人で運営しているんだな」と考えるなど、つねに何かしらの疑問を立てて物事に向き合っています。
普段から何かをインプットしてるような感覚でアンテナを立てておくと、頭に入ってくる情報の量は激変するはずです。
インプット→ラベリング→答え合わせ。山下さんのインプットの流儀
インプットを行う際に、僕がもっとも意識しているのは、「アウトプットありきのインプット」をすることです。
人間はアウトプットしないと学んだことのほとんどを忘れてしまう生き物であり、自分のなかで学びを留めておくだけでは意味がありません。
また、アウトプットは頭の中を整理させる行為であり、情報を定着させるのにとても効率的な方法です。
対談のなかで、山下さんは「アウトプットを前提としたインプット」に2つの段階を設けていると教えてくれました。
最初のインプットは、概要をつかむためのインプット。
気になることが出てきたらまずはざっくりと本やインターネットなどで情報を集め、関連するキーワードや基本的な情報を集めるそうです。
余談ですが、山下さんは「読書は紙で読みたい派」とのこと。僕も同じように感じているのですが、紙の書籍のほうが頭により入ってくる感覚だと仰っていました。紙の書籍と電子書籍の違いって、本当にあるのかもしれませんね…。
インプットをした後、山下さんは情報を「ラベリング」するそうです。情報を改めて整理し、自分なりに「この分野で重要なことはこれなのだろうな」「自分がこの情報を活かすとしたら〇〇に気をつけなければならない」と予想してみるとのこと。
ちなみに、山下さんはラベリングした情報を記録するための場所としてnoteを使っているのだとか。
「気になることがあったときは、そのキーワードについて調べるとともにスマホにメモしています。言語化することで無意識に関連情報が集まってくるようになるんです。
メモは1ヶ月ごとに見返すのですが、そうすると何度も登場しているキーワードやジャンルが見つかるので、私はそれらをnoteのテーマにするようにしていますね」
ラベリングに見通しがついたら、2回目のインプットをしていきます。2回目のインプットは、予想したことの「答え合わせ」となるそうです。
「一次インプットとラベリングによって、概要やある程度の方向性を掴んだうえで、その道の解像度がとても高い方に話を聞きに行きます。たとえば、何かに迷っているときでも、本などで得た情報から大体でも良いので方針を決めておく。
そのうえでプロに聞くとより深い部分まで話を聞けますし、1番理解が深まると考えています。」
知りたいことの専門家を見つけ、得た情報をもとに話を聞きに行くことで、自分なりの意見を持つ。
これが山下さんのインプットの流儀とのこと。「餅は餅屋」というように、やはりその道を研究するプロの知見は何事にも代え難いようです。
▼以前対談させていただいた、味の素「Z世代事業創造グループ」さんも同じようなことを仰っていたのを思い出しました
新たな挑戦をし続けるMinimalチョコレートのアイデアは、このような日々の習慣から生まれているのだと感銘を受けました。
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対談を通じて、山下さんと僕のインプット方法にはいくつかの共通点があると感じています。それは、「理由ありきでインプットの方法を選んでいる」というところ。
たとえば、「ラベリングをしていると、無意識に情報が集まるようになる」「アウトプットを前提にインプットをすると定着する」といった考えは僕自身とても共感したのですが、これらには行動経済学や心理学など、有識者の研究に基づいた事実が含まれています。
何となくで物事に向き合うのではなく、論理的に考えて行動する。僕が以前から山下さんのnoteに共感し、感銘を受けていたのも、こういった根幹の考え方に似ている部分があったからなのかもしれません。
このnoteでは、Z世代マーケターの僕が日常生活で意識していることや、習慣などを発信しています。これからも、Z世代の消費傾向やマーケティングについてもお話していますので、ぜひスキやコメントお願いいたします!
▼山下さんのnoteはこちら
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!
※このnoteは個人の見解です。
今瀧健登について
1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。
日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。