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新刊「弱い円の正体 仮面の黒字国・日本」

今回はお知らせです。7月9日、日経BP社より「弱い円の正体 仮面の黒字国・日本」を刊行させて頂く運びとなりました。大変ご好評を頂いた前著「『強い円』はどこへ行ったのか」から約2年経ちましたが、その続編という位置づけになります。

今回もテーマは「腐らない議論」です。前著の「はじめに」でもこの点を強調させて頂き、共感の声を沢山頂戴いたしました。「米国の雇用統計が〇万人だった」とか「FRBの利下げが何回ありそうだ」とか「日銀の利上げがいつありそうだ」とかなど、直ぐ変わるようなテーマではなく、もっと賞味期限の長い議論を尽くしたつもりです。お手軽解説全盛の時代だからこそ、それをきっかけとしてもっと深い話を理解したいという層も増えているように日々感じております。

今回は前著と比較して定価が100円だけ上がりますが、内容量は前回(208P)の1.5倍(344P)です。かなり出版社には頑張って頂いた作品になっています。多くの方々が前著を読んで下さったおかげです。カバーデザインもさることながら、量感もあいまって、書店でそこそこ目立ちそうです:

前著、読んでなくてもOK
もちろん、前著を読んでいない方にも理解が行き届くように書かせて頂きました(もちろん読んでいた方がベターではあるものの)。今回、新しい論点としては①デジタル赤字に象徴される「新時代の赤字」や②キャッシュフローで見た経常収支を加えており、ここに半分近くの紙幅を割いております。このほか③購買力平価が使えなくなった理由、④資産運用立国の現状と展望、⑤日本はどうすれば良いのかといった論点構成にしております。このほかBOX欄も沢山盛り込んでおります。

言うまでもなく、①や②が核となる論点であり、タイトルの「仮面~」に繋がっていきます。このタイトルは実は以下のnoteが極めて大きな反響を得たことから採用を決めました。私が言うのも変ですが、①や②だけでも本書を読んで頂く価値はあると思っています

いわゆる頻繁に報じられる「戻らぬ企業の海外収益」は今年に入ってからようやく新聞紙面でも取り上げられるようになり、筆者試算も断続的にご紹介頂けるようになってきました。また、今年3月発足後、非常に大きな注目を集めた神田財務官懇談会でも中心論点の1つでした:

もちろん、話題のデジタル赤字についても詳しく取り扱っており、デジタル貿易の国際比較もBOX欄で展開しております。私の知る限り、デジタル関連収支の国際比較は着手している議論自体が少ないため、手前味噌ですが稀少だと思います。noteのメンバーシップでは報道記事などを交えつつ解説したことがあります。これも大きな反響がありました:

なお、今後、日本が対内直接投資を促すにあたってモデルケースとなるのがアイルランドですが、その功罪についても議論を重ねています。議論のとっかかりとなる部分についてはnoteで議論していますが、今回、書籍の中では改めて整理しております:

・・・と中身の紹介をするとキリがないのでこの辺りで止めておきますが、ここ半年で急速に流行した国際収支分析やデジタル赤字の議論は過去2年弱にわたって筆者が重ねてきたものでもあります。そうしたテーマは全て、今回の1冊で理解できるようにまとめたつもりです

noteでコミュニケーション可
発刊を契機としてメンバーシップ内には書籍専用スレッドを立てたいと思います。そこに書き込んで頂ければ可能な限りリアクションさせて頂こうと思っております。やはり書籍だけだとコミュニケーションが一方向になりがちですから、この辺りはnoteというプラットフォームで役割を補完できるのではないかと考えております。Labo(実験場)として何か発見があれば良いなとは思っております。


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