貯金を始めよう 日経電子版で学ぶ新社会人の基礎⑮
頑張る新社会人を応援するため、日経電子版をまだよく知らない方にも分かりやすく、記事の紹介に加えて仕事に役立つ知識をお届けします。
今回から「資産づくり編」。自分の頑張りで稼いだ給料、いろいろなものが欲しくなりますし、おいしいものも食べたくなります。ただ、将来のことを考えると貯金もしておきたいし、投資もやっておきたいと考える人も多いと思います。ちょっと勉強してみましょう。
初回は「貯金を始めよう」です。
1.貯金の王道は「先取り」
お財布に、銀行口座にお金があると気持ちにも余裕が出て、ついつい必要のないものを買ったり、使いすぎてしまったりするものです。余ったお金を貯金する、ではなく、事前にお金を別口座に移しておくことで効率よくお金を貯めることができます。
会社勤めであれば、まず目安として「手取りの3カ月分」を目標に設定してはいかがでしょうか。
2.会社の福利厚生を使おう
貯金や資産作りを始めよう!と思ったら、まず自分の会社の福利厚生を調べてみてください。会社によっては、うまく使うとお得な制度もあります。
2.1社内預金を使おう
社内預金の制度がある会社であれば社内預金を使うのがお得です。給料の一部を自動的に社内預金口座に振り込んでくれるため、先取り貯金ができます。近年、銀行の預金金利がほぼゼロに近くなっていますが、社内預金は0.5%以上の金利がつけられます。
というのも、社内預金は労働基準法に定められた制度です。法律に「利子をつけなければいけない」と明記されており、厚生労働省令で「0.5%」としているため、この金利を下回ることはありません。
かつて企業は慢性的に資金不足だったため、銀行以外の資金確保先として活用してきました。ただ90年代半ば以降、低金利によるカネ余りで資金調達が容易になってきたため、福利厚生の意味合いが強くなってきました。ただ、近年は資金を預かっても運用して増やすことが難しくなってきたため、廃止する企業が増えています。
もし、あなたが勤める会社に社内預金があったらチャンス!と思ってください。
2.2財形貯蓄制度を使おう
同じような制度に財形貯蓄制度があります。こちらも法律で定められた制度で、やはり給料から先取りして貯蓄に回すので、気がついたら貯まっているという、タイプの貯金方法です。
こちらのメリットは一定金額まで利子が非課税だという点です。もっとも近年の低金利下ではそのメリットはわずかではありますが。
いずれにせよ、まずは会社の制度を確認して1番お得な形の貯金を始めてみるといいでしょう。
3.いろいろなサービスを使ってみる
残念ながら会社に社内預金などの制度がない場合は、金融機関のサービスをつかうと楽に貯金ができます。多くの銀行では定額自動入金サービスを提供しており、「月5万円」などと設定すると給与振り込み口座から貯金用の口座へ毎月自動的に入金してくれます。
銀行以外のサービスも増えています。たとえば「フィンビー」というアプリでは「1000歩ごとに500円」「ジムで運動したら1000円」など、自分のルールに基づいて貯金ができます。
家計アプリのマネーフォワードもカード決済した時の端数分を貯金する、というアプリを提供しています。
まずはいろいろな制度を活用して先取り貯金で一定額を積み立て、余裕があれば自分の好みに合わせた金融サービスで貯金をする、といったやり方がいいかもしれません。
最後に、貯金は大事ですが、くれぐれも無理をしすぎないように、が鉄則です。
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