連日の猛暑が続く今日この頃ですが、夏休みに入り各地で4年ぶりの大規模イベントが開催されています。4年ぶり隅田川花火大会、夜空に大輪 - 日本経済新聞 (nikkei.com) 背景にはCOVID-19の5類移行に伴う社会的な制約が解除されたことが大きいのでしょう。昨年の同時期の記事を見直しましたが、外来診療はかなり忙しかったのを思い出しました。
COVIDはやはり室内で換気のしにくい暑い時期に拡散しやすくなるようで、猛暑日が続くようになってから診断する患者さんも増えてきた印象です(東京都定点で9.35)。最近までかなり騒がれていたインフルエンザやヘルパンギーナは東京都ではすでに収束傾向(0.99・3.71)です。(定点報告疾病 週報告分(保健所別) (tokyo.lg.jp) 昨年までのような過剰報道が少なくなったのは良い傾向であると思っていますが、その意義について見直している記事がありましたので引用してみます。
私もほぼ同時期に同じような以下提言を過去のCOMEMOに掲載しているのですが、やはりコメンテーターではなく有識者として出演した同番組ではここまでハッキリとは言えなかったと記憶しています。この頃からあちこちで意見が交わされていたにもかかわらず5類移行となったのは半年後だったのです。
前述の通り、ここ最近ではCOVIDと診断する患者さんが増えてきたのは事実です。外来は若干忙しくはなりましたが、いわゆる逼迫状態ではなく、ほぼすべての患者さんは高齢者の方も含めて軽症で、外来で対応可能な中等症Ⅰもいません。また昨年の夏と異なるのは最も時間を要していた以下の説明をしなくてもよくなったので、一人のCOVID患者さんに要する時間が大幅に短縮され、負担が大きく減ったことでほぼ通常診療と同様になっています。いわゆる冬季に外来が混雑するような状況とさほど変わっていないということです(抗ウイルス薬の処方に関しては、ゾコーバは患者さんの承諾書が必要ですので説明に若干の時間を要します)。
先日は今年初めて入院が必要となった患者さんがおられましたが、COVIDで重症ということではなく、胃痛が強く水分摂取がきわめて困難となり脱水症の予防の観点から点滴が必要と考えて入院を提案したのです。すわなち高齢者や持病のある方は「重症化リスクのある」という言われ方をしますが、現在ではCOVIDのみで肺炎などを起こし重症化する人はほとんどおられないのです。「コロナは風邪」と言われることがありますが、確かに変異により「風邪」と類似してきたところは多い印象です。しかし、風邪をひいてもこじらせれば入院することもありますし、高齢者では風邪が原因で肺炎を引き起こせば死亡する可能性も高まる訳です。すわなち「たかが風邪されど風邪」なのです。
物事を考える時には「先入観」や「見かけ」だけで判断するべきではありません。COVIDでは様々な情報が錯綜し、同調する圧力が生じやすい日本では現在でも「意義の低い対策」を変えることができず「過剰な不安」がいつまでも払拭できないことが当たり前の日常生活を遠ざけています。「コロナは重症化する」「感染対策のために屋外でもマスクをする」「ワクチンにより発症を予防する」等々、今はいずれも正しいとは言えないことばかりではないでしょうか・・。正しくないことをしていてもデメリットがなければ気になりませんが、明らかにデメリットである健康被害が生じていませんか?
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感染者が増えていることは事実ではありますが過剰な心配はせずに体調を崩した時には無理をせずに休養を取るようにすれば良いだけのことです。だたそれすらできない方々が増えていることは問題なのです。これも「5類になったから感染対策をしなくても良い」というような「先入観」や「見かけ」だけでの判断ではないでしょうか?
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