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著書「新型コロナとの付き合い方」本日発売です。

 2020年6月からキーオピニオンリーダーとして月2回のペースで主に新型コロナに関する記事を投稿して70記事目となりました。以前より何らかの形にしたいと考えていたところ、ある出版社からご提案をいただき、この度書籍として発刊することになりました。「日経COMEMOの集大成」とも言えるものでもあり本日発売になりました。お読みいただければ幸甚です。

 2022年夏の第7波が収まりつつある頃から、ようやくウィズコロナへの舵がきられるような対応が散見されるようになりました。現在再び感染者数の増加の兆しが見えるものの、今のところはこれまでのように急激に増加する傾向ではありません。サッカーW杯では国内ではマスク着用での観戦が当たり前であったにもかかわらず、映像を見る限りはマスクをしている日本人は見当たりません。これこそが実証実験のような印象です(もちろん感染対策はもうしなくても良いと言っているわけではありません)。可能性のあるリスクを考えればきりはなく、ゼロコロナを目指すことは不可能であることを鑑みればこれからは「新型コロナといかにうまく付き合うか」が大きなポイントとなると考えます。しかし同調しずらくしているのが感染症法の高い壁であることは以前にも投稿しましたが、最近ようやくその壁が低くなるような気配です。

  現在は新型インフルエンザ等感染症(メディアなどではよく2類相当と呼ばれています)という位置づけではありますが、9月末からは発生届の対象が絞られ(全数把握ではなくなり)、対象外の陽性者は各自で登録をすれば医療機関を受診する必要がなくなったことで事務的には5類相当のようなものになっています。しかし検査費用や陽性者の療養中の医療費は公費で賄われるため2類相当のままです。また心身ともに負担の大きい発熱外来にとっても2類相当による加算があるので、時間的・空間的トリアージを行い限られた患者さんしか診療できなくても通常診療とほぼ変わらない報酬が得られます。言うなれば新型コロナの診療においては最も負担の大きかった事務的な作業が大きく軽減された上に患者側・医療側ともにメリットもある訳です。感染対策の面で5類相当にすることを拒む有識者もおられるようですが、現在の5類には医療関連感染で大きな問題となる薬剤耐性菌などもあり、新型コロナが5類相当になったからといって、法的な規制は効かなくなるまでもいきなり対策が疎かになる訳ではないでしょうし、一方で5類相当になったからといって義務化でもしない限りどこの医療機関でも診療してもらえるかどうかは懐疑的です(理由をつけて診療拒否する施設は必ずあると思います)。すわなち2類・5類という数字だけの問題で解決するかは何ともいえないと思うのですが、どうしても「2類相当」という言葉のインパクトが強すぎて医療体制だけではなく社会活動も大きく阻害されたままでは新型コロナとうまく付き合うことはできません。もう2年が経過するコロナ禍によって歪んだ社会をもとに戻せるようにさらなる提言を続けていきたいと思い、これまでの提言をもう一度振り返ってみました。

「オールドノーマル」と化した生活様式を「ノーマル」に戻す計らいを|水野泰孝 Global Healthcare Clinic (nikkei.com)

コロナで歪んだ社会をもとに戻すためにはもう後戻りしてはいけない|水野泰孝 Global Healthcare Clinic (nikkei.com)

アップデートできていない感染対策とブレーキとなる同調圧力|水野泰孝 Global Healthcare Clinic (nikkei.com)

いつまで新型コロナを特別視するのか?|水野泰孝 Global Healthcare Clinic (nikkei.com)
#日経COMEMO #NIKKEI


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