意見を発し、チームで挑む! 〜 「働き方最前線」対談シリーズを終えて
5月から私のnoteでまとめ記事を掲載してきた「働き方最前線:フロントランナーのビジョン」。全7回にわたるウェビナーでの対談と、レポート連載を無事終えることができました。
7人のフロントランナーとの対話をきっかけに得た気付きは多く、触発されて私自身の働き方の棚卸しにもなりました。また、先日から私が理事を務める 一般社団法人at Will Work と日経comemoのコラボで 投稿募集企画 #コロナ禍で変えた働き方 を開始しております。ということで、コロナ禍、そしてみなさんとの対話を経てアップデートした働き方を記したいと思います。
本文最後には対談シリーズ全7記事のリンクを載せていますので、そちらもぜひご覧ください。
対談を振り返って:常に新しい道を模索、ライフ&ワーク、物差し作りのお手本
全7回にわたって「働き方のフロンティア」という共通のテーマでゲストと語り、みなさんなりの「ニューノーマルにおける働き方」を伺ってきたわけですが。「毎回同じような結論や未来予想図に集約されちゃうかも?」と心配したりもしてましたが、想定していたよりも話題が広がって示唆に富む対談シリーズとなりました。みなさん独自の視点、興味関心の志向性、時間軸を持っており、多様さを楽しめる結果になりましたよ。
皆さんに共通していたのは2点。今の仕事で成果を出していながら、さらに新しい取り組みを模索されていること。また、仕事の話の中にも家族や趣味の話などプライベートの話が折り込まれていて、働き方だけでなく自分のライフスタイルに向かい合っている印象を持ちました。
ライフワークバランスという言葉もありますが、「ワーク」と「ライフ」を対立するものと捉えて「バランス」させるという価値観自体が古くなりつつあります。ひと昔前だとライフかワークかの一択で、どちらかを犠牲にするような働き方が主流でしたけど。ゲストのみなさんは仕事を通じて人生をかけて熱中できること、楽しいと感じることを実現しているように思いました。
一方、全員に共通の質問として「今後仕掛けたいことは?」と投げかけたのですが、この問に対する解釈や回答は七者七様。敢えて時間軸やスコープを定義せずに尋ねてみたわけですが、、タイムスパン、対象(今手掛けているプロジェクトのこと、家庭や組織のこと、個人の追求などなど)、抽象度など、みなさんバラバラで、個性や特徴が現れていたなぁ、と思いました。
働き方や生き方が共通のものさしでは語れない多様化の時代において、「ものさし」を教わったり与えられる時代から自分で作ることを求められている。正解も抜け道もない、ある意味大変な時代になっていますが、そんな中でフロントランナーのみなさんの「ものさし」は、参考になるだろうと感じた次第。
みなさんそれぞれ、社会とのつながり方、、具体的には自分が属しているマーケットの捉え方とか自分の立ち位置の定義、それらを踏まえた上でどんな価値を発揮したいのか、、自分なりのスタンスが確立されておりましたね。また、その確立の仕方が人それぞれで、一つひとつの経験を点とするなら、点と点の繋ぎ方が面白い。その着眼点/発想プロセスが個性だなと思った次第です。
「ライフ&ワークを一体としてとらえ、独自のものさしを持ちながら、常に新しい道を模索している」、、そんなゲストのお話を聞くことで、毎回多くのインプットをいただきました。今回の登壇に快諾いただいた皆さんには感謝です。
最近変えたスタンス:パラレルとコネクタを極める
さて、みなさんとの対話に触発され、コロナ禍を経て変化しつつある私自身の働き方とそのスタンス、「仕掛けたいこと」について書いていきたいと思います。
まず、働き方。「●枚の名刺を持ち、●個のプロジェクトに関わっている」といったパラレルワークの様が、過去のインタビューなどでお答えした内容が一人歩きしているんですが、行き当たりばったりでいろんなプロジェクトに関わっているわけではありません。
都度プロジェクトの入れ替わりはあるんですが、私のミッションステートメント「人と情報をつなぎ、 社会を変える主役を増やす」ためのプロジェクトという点で一貫しています。ただ最近は活動の領域や支援する対象が変化しており、もともといたITやスタートアップ業界から、パブリックセクター、ソーシャルセクター、地域の方々との交流が増えています。
コロナ禍を迎えた今、テクノロジードリブンやビジネスアイデア勝負のソリューションだけでは解決できない問題が山積みで、「社会を変える」ためにはより多様な方々との連携が不可欠だと実感しています。これからも、領域を柔軟に横断し、「コネクタ」として活動を続けたいな、と。
最近変えたスタンス:意見を述べる
加えて、以前より意見や価値観を発信していこうと考えています。
コロナ禍にて、バーで気軽に雑談したり、イベントでお話する機会が少なくなった分、自分の考えや想いを伝える機会は減っています。私は人に意見をぶつけ、フィードバックをもらう中で、新しい価値観が育まれていくのだと信じていますが。この変化の時代において新たな視点を再構築していかねばならない中、対話の機会を得にくくなっている。意見を発する打席がないと、自分のアイデンティティが揺らぐ危機感すらあります。
また、今までも登壇などの機会はそれなりにあったんですが、多くが(何らかのプロジェクトの)エバンジェリストやスポークスパーソン担当、もしくはモデレータとしての役回りでして、求められる機能やポジショントークを意識した打席ばかりだったわけです。ただ最近はありがたいことに、自分が持つ知見や経験に価値を感じるとフィードバックをいただく機会が続いております。でもありがたいことに、自分が持つ知見や経験に価値を感じるとフィードバックをいただく機会が続いています。
そこで、、自身のアイデンティティを確立しつつも、他の人や情報同士をつなげるだけでなく、私自身が持っている知見や経験も役立ててもらうべく、発信を強化していきたいと思う次第です。
最近変えた仕事の仕方:コミュニティ型チーム作り
発信に対するスタンスだけでなく、仕事の進め方もここ2年ほどで変えてきました。これまでは一人で受け切れる範囲の仕事を請けてまして。詳細はまたどこかで触れますが、過去の経験から、チームで活動することに限界を感じ、、といいますか、まあ個人プレーが好きなんでしょうね。身近な範囲からのご相談にできる分だけ応えるに留めていたのですが。相談が増えてくると、自分のリソースに限界を感じてお断りするケースも増え、「本当はここまでサポートしたいのだが」とか「ほっておけない」という思いが募ってまいりまして。知人に協力を依頼するケースが増えてくるうちに、自分の中でバーチャルチームが組成されてまいりました。
組織化されているわけではなく、私が「何かあったら仕事をしたい」と思い浮かんだ人たちをチームと呼んでるだけで、、「広報支援ならこの人」「政策提言なら彼」「クリエイティブならこのユニット」みたいな感じ。過去に一緒にお仕事をしたり、友人として付き合う中で、ペースや価値観が合うとか仕事に対するスタンスが近いと感じた方を挙げていくうちに、気づけば各ジャンルでお仕事を相談できる方が100人近くおりまして。最近は、徐々にその方々同士をつなげようと試みており、なんでも相談したりアドバイスしあえるコミュニティになるといいなぁ、と思いながら"チーム”内の接点作りに勤しんでおります。元来、組織作りとかチームを率いるのは好きではないようで、極めてゆっくりですが、コツコツと取り組んでおります。
でも単にリソースが足りないからチーム作りを目指しているわけではありません。バーチャルでも“チーム”を作っているのは、何か面白いことをやりたいときにすぐに動けるようにしておきたいと考えたからです。以前どこかで触れましたが、「一つの目的に向かって、時間を共にする」ことが連帯感につながり、安心してお互いに仕事をまかせあえる信頼感の醸成にもつながりますね。加えて、メンバーと一緒に知見を蓄積する狙いもあります。自身が変化に備えるためにも、目指したい未来のためにも。
仕掛けたいこと:主役を増やす
ゲストのみなさんにも投げかけた「仕掛けたいことは?」という問に、自分も答えてみようと思います。
発信に対するスタンス、チーム作りは、最終的に今の自分のミッションステートメントであるところの「社会を変える主役を増やす」ためです。主役を支えるべく、お手伝いするプロジェクトをどんどん増やしてきましたが、私一人ではやりきれないことも多い。そこでこの数年は主役を増やす仕組み作りのつもりで、at Will WorkやPublic Meets Innovationに取り組んだり、広報の知見をスタートアップにばらまくなど「仕掛け人」のスタンスに変えてきました。
仕組みを作ったとしても、自分が実行委員長になってリードしたいとか、OBとして立場を守りたいわけではなく。主役になっていく人たちのセコンドとしてリングサイドで直近に応援するのが最高の贅沢として私自身のモチベーションになっているので、これからも各プロジェクトには実行委員くらいの距離感で携わっていくんじゃないかなと思います。(ちなみに以前、自分の立ち位置を棚卸ししたnoteがあるんですが、「仕掛け人」志向は昔から変わっていないようです。)自分の立ち位置を棚卸ししたnoteがあるんですが、「仕掛け人」志向は昔から変わっていないようです。)
また、プロジェクトへの関わり方はあくまで手段。最近は広報戦略のコンサルだったりイベント企画などの立場で携わることが多いのですが、役回りはなんでもよい。敢えて要約するなら「コネクタ」として価値提供できれば、肩書きはなんでもよいのですね。今後も、スタンスは変わらずも、異なる肩書きとか立場で立ち回っているだろうな、と。
ということで、自分の「仕掛けたいこと」は、「社会を変える主役を増やす」仕組みを、より具体的に進めていきたいと思っております。ちなみに、最近、色々な方面で関わったりお手伝いして気になっているキーワードは「ソーシャルセクター/NPOのコミュニケーション支援(の仕組み化)」「フリーランス/復業者の活躍と苦労」「Z世代の後押し」「セルフマネジメント/メンタルケア」の領域ですかねぇ。この辺は具体的になってきたらまた共有なり、各方面にご相談させていただきたいと思っております。
最後に:まずはスタンスを自覚しよう。
働き方関連のセミナーやイベントでお話すると「こんな状況なのですが、どうしたらいいですか」と方法論とか解決策に関する質問をよくいただきます。でも私はhowの部分はなんでもいいと思っています。というか、howから語っても意味がないかなぁ、と。大事なのはやりたいという想いとそれを実行に移すことなんだと思います。
どうしてもカタチから入るなら、試してみたいと思うようなお手本を探したらよいかと。今回対談したフロントランナーのような人たちをみて、気になる部分を真似してみたらよいと思いますね。複業であれば西村さん、個人で発信したいなら緒方さんが語ったVoicyのパーソナリティたち、キャリア戦略なら山口さんの話を参考に、、といったようにいくらでもお手本が見つかるはずです。試してみるうちに、自分にとって何が大切なのか、どんな動き方が心地よいのかが自ずと分かってくるのではないでしょうか。
また、労働観は様々でよい。自ら世の中を変えていく切り拓いていくタイプの人、ムーブメントにちょっと参加して楽しみたい人、私のような実行委員タイプのような人、など様々なスタンスの人がこの記事を読んでいると思います。スタンスは人それぞれでいいんです。
まずは自分が「働き方」に対してどのようなスタンスなのか、仕事にどう向き合っていきたいのかを考えてみるのがいいのかなと思います。そのためには、自分の強み・弱みを把握したり、目の前の仕事との折り合いの付け方を考えてみるなどして… 自分に向き合っていくと、自然とどう働きたいかの価値観が研ぎ澄まされていくのではないでしょうか。
VUCAの時代においては、ずっと変わらない正解はないんだと思います。やっていることが変わっていいし、変えていかなくちゃならないかもしれない。そんな時に皆さんが考えるヒントとして、このシリーズで語ってくださったゲストのみなさんの活動や、対談でお聞きした内容が参考になったら幸いです。
皆さん一人ひとりが輝く主役になれる日を願って。
みなさんの働き方の変化をおしえてください!
現在、日経comemoさんとのコラボで 投稿募集企画 #コロナ禍で変えた働き方 を開催中です。ぜひ、みなさんの「コロナ禍を経て変えた働き方」を投稿ください!(2021年9月3日(金)まで)
また、様々な働くストーリーを表彰する「Work Story Award2021」もエントリー募集中です。こちらもぜひ応募を検討くださいな。(こちらも2021年9月3日(金)まで)
このシリーズの関連記事たち
「働き方最前線:フロントランナーのビジョン」の対談記事はこちらからご覧ください。
第1回:株式会社オカムラ 遅野井 宏さん「働き方ד働く環境”」
第2回:インサイトフォース株式会社 山口 義宏さん「働き方×マーケティング」
第3回:TORiX株式会社 高橋 浩一さん「働き方×営業力」
第4回:&Co.,Ltd. 横石 崇さん「働く×働き方のエッジ」
第5回:Peatix Japan株式会社 藤田 祐司さん「働く×コミュニティ」
第6回:Voicy株式会社 緒方 憲太郎さん「働き方×個が輝く時代」
第7回:複業研究家 西村 創一朗さん「働き方×複業」
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