見出し画像

新卒番外編①:ジャズバー通いに明け暮れた新人時代 〜 気づいたら「個人内多様性」を獲得していた自分が、今までのキャリアでやってきたこと<vol.12>

いろいろな仕事に関わるあまり、自分の仕事を一言で表すのにいつも苦労する私。前回(下積み時代編)に引き続き、しばらく「日比谷のキャリアをひたすら時系列で紹介する」シリーズにお付き合いいただければと思います。


今年、JR関内駅前にある横浜市旧市庁舎跡地の開発計画が発表されました。横浜スタジアムもあることからDeNAによるエンタメ施設や、星野リゾートによる都市型観光ホテルができる予定とのことで、だいぶ駅を中心とした街の様相が変わってきそうですねぇ。

この数回かけて振り返ってきた私の新卒時代は、前半の2年間を関内駅周辺でどっぷり過ごし、中華街や近隣の街を徘徊する日々を過ごしておりまして、いよいよ街の雰囲気が変わってしまうなぁと思うと、ちょっと寂しい気もいたします。今回は、そんな街の思い出を中心に振り返ってみます。


■仕事以外の時間は何をやっていたんだっけ

前回まで、学生時代から新社会人時代までをざっと振り返ってきましたが、この期間、プライベートでも今日に繋がる様々な体験がありました。

中華街で飲んだり、黄金町で飲んだり、寿町で飲んだり、野毛で飲んだり……と、仕事の間隙を酒場巡りで埋めるのは今もまったく変わりませんが、一方では若かりし頃のエネルギーを持て余していたのか、バイクで日本を一周したり、各所で野宿しようなんて試みにも精を出していました。

どこかで野宿して朝を迎えた様子、のはず。。

一体どこにそんな時間があったのか不思議ですが、ここで番外編として当時の私が仕事以外に何をやっていたのか、振り返らせていただきます。

■ジャズバー通いに夢中になっていた新社会人時代

ヒマさえあれば街をふらふらする気質は当時からのものですが、職場が横浜だったことが私の好奇心に拍車をかけた面はあるのでしょう。

なにしろ関内や野毛の周辺は、ジャズ喫茶やジャズバーがたくさん集まるエリアです。基本的には仕事終わりに単身ぶらりと足を向けるのがいつものパターンで、たまにタイミングが合うと大学時代の友人と連れ立ってライブを聴きに出掛けたものです。(高校時代から新宿にギター習いに通っていたこともあり、JAZZ喫茶とかJAZZ系のライブハウスに出入りするのは慣れていた)

(今でも残る老舗はもちろん、今は無き独立系のバーも多数)

酒もそれなりに好きでしたが、どちらかといえば興味の比重は音楽にあり、演奏に耳を傾けながら、限られた予算の中でビールやカクテルをちびちびやるのは、何とも言えないひとときでした。とくに入社1年目の頃はまだ仕事に余裕もあり、この時間を楽しみに横浜まで通っていたと言っても過言ではないでしょう。

ある時、関内のジャズバーで、突出してレベルの高いデュオを見つけました。歌もギターも思わずハッとさせられる実力者で。一瞬で虜になってしまった私は、そのお二人の出演日を狙ってジャズバーに通うようになります。これは社会人1年目の大きなお楽しみでした。

演奏後には「今度ここでライブをするので来てくださいね」と手作りのチラシを配ったりしていたそのデュオこそ誰あろう、デビュー前の「Fried Pride」でした(って、これ読んでてご存知の方はどれくらいいるんでしょうね)。お二人はそれから間もなくメジャーデビューして超売れっ子になるわけですが、なんとも貴重なタイミングに居合わせたものです。横田さんのギターは神がかってたなぁ。。

■寿町。ロックバー「ガレージ」の原点がこの時期に

また、寿町では「寿町フリー・コンサート」というイベントが毎年開催されています。これは1979年から続く伝統ある催しで、様々なミュージシャンがノーギャラで参加し、老若男女を楽しませておりまして。職場の近くだったこともあり、毎年足を運んでおりました。(以前も書きましたが、いつも独りで参加していたはず)

職安前の広場で行なわれるため、付近では求職者を対象に「悪徳業者に騙されるな!●●に連れていかれるぞ!」とか「覚●剤はよくない」などと不穏なチラシが撒かれていたりもしますが、ライブには渋さ知らズなど熱量高いバンドが多数登場しており、盛り上がりを見せていました。(どんとが現役の時に参加したかったなぁ。。)

http://www.asahi-net.or.jp/~uh5a-kbys/kotobuki/2002.htm より拝借しました

ただ、しわくちゃになった入れ墨を背負う老人や、道端で寝落ちしている半裸の酔っぱらい、ここぞとばかりに集まる喧嘩自慢なども多く、決して品のある雰囲気ではありませんので、私はいつも広場を取り囲む回廊部(分かる方には分かるはず)に陣取って、安全圏!?からビールを飲みながら鑑賞しておりました。

演奏の途中で客同士が小競り合いを始めたり、酔客がその辺で立ち小便をしたりというのはざら。ただ、そんなこの街らしい空気がライブを盛り上げていたのも事実で、雑多で猥雑な空間もまた、このイベントの魅了とも言えるでしょう。

私にとってお酒と音楽と「猥雑な空気」は常にセットになっていたもので、いまにして思えば、当時のこうした経験が、後に民家の駐車場スペースを改装してロックバー「ガレージ」を始める原点なのかもしれません。

■勢いでバイクの免許を取得

一方で時間に余裕のあったこの時期に、私は前から欲しかったバイクの免許を取得しています。小学生の頃、自転車を買ってもらった瞬間に行動範囲が大きく広がった感動が忘れられず、大人になったらバイクで日本中を走り回りたいと思い描いていたことを思い出したからです。

同じ部署の先輩にバイク付きで面倒見のよい方がいて、親切にバイクの選び方や店を紹介してくれたことなどもあって一念発起。有給消化や土日の隙間時間をやりくりして近所の教習所に通いました。首尾よく免許を取ったところで、当時の同期仲間が「車で日本を一周する」と言い出し、私もバイクで同行することになりました。


次回は、新卒番外編②として日本各地を徘徊していた様子をお届けする予定ですよ。

<気づいたら「個人内多様性」を獲得していた自分が、今までのキャリアでやってきたこと>
第1回:「誘われ力」を磨いたバンド時代編
第2回:「仕掛け人」として「連帯感作り」に目覚めた学園祭編
第3回:音楽が未知の世界へ飛び込む楽しさを教えてくれた
第4回:本格的に「デジタル」に目覚めた大学時代編
第5回:ベンチャービジネスとの出会い編
第6回:モラトリアム卒業編
第7回:バックパッカー編
第8回:新卒ゆるゆる時代と募る焦り編
第9回:複業で遭遇した大炎上編
第10回:自ら望んだ “火消し”チームで過ごした私の下積み時代編
第11回:生意気で衝突しまくっていた若手社員編
第12回:新卒番外編①:ジャズバー通いに明け暮れた新人時代
第13回:新卒番外編②:暇さえあれば日本全国を巡る
第14回:焦りを糧に熟成期間を経た、キャリアチェンジ編
第15回:新天地編

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?